Day3-3 学園の門の前でルリノさんと
学園の入り口には大きな門がある。
生徒は必ずそこを通って中に入る。
今日は門の脇に何人もの人が立っている。昨日は見かけなかった。
どうやら生徒が来ている制服が校則違反ではないかチェックをしている様子。風紀委員みたいなことか。
ルリノさんの姿もある。他の人は生徒会のみなさんかな。
彼女はすぐに僕の姿に気付いた。
「ヒロトさん、おはようございます。……昨日はすみませんでした」
「おはようございます。ルリノさんって、あんなにお酒弱かったんですね」
「お恥ずかしい限りで……。キルシュ君には剣では負けないつもりですが、お酒で勝負しても絶対勝てなかったですね、私」
「あの後、どうしたんですか?」
「お店の人が、私とベルデ君を寮まで送ってくれましたよ」
「そうだったんですね。ほって行ってしまってすみません」
「気にしないでください。酔いつぶれた私が悪いんですから……。おや、この子は?」
僕の後ろにいたノアちゃん。
ルリノさんと目が合い、ビクっと飛び上がる。
多分、みんな初見ではルリノさんにビビると思う。
美人だし、堂々としているし、オーラが半端ないから。
「初めまして、ルリノ様!ノアと申します」
「当学園の生徒会長ルリノです。……ものすごくかわいい方ですね」
「そ……そんなことないです。ルリノ様の方が、お噂よりで聞くよりもお美しいです」
「あなたもヒロトさんの恋人ですか?」
「いえ、まだそういうわけでは……」
「そうですか。なら問題ないですね」
「……?」
ルリノさんは僕にキスをしてきた。
いきなり激しいキスを。
―――待って!息が出来ません
「ちょっとルリノさん!他の生徒やノアちゃんも見てるのに……。 こんなところで恥ずかしくないんですか……?」
「これは特権ですから。見せつけないとダメですよ。この学園の王は誰なんか、王妃は誰なのかということを」
王様?王妃?キルシュもそうだったけど、メルヘンが好きだなあ。
そもそも、ここはファンタジーな世界だったっけ。
「女子もそうですけど、こんなの男子が見たら刺激が強すぎませんか?朝から大変ですよ……」
「他の男子? 何を言ってるんですか。この学園に男子はヒロトさんしかいないんですから」
この学園に男子は僕しかいない?
「え? でも、男子の姿を見たことがありますけど……。制服も男子用と女子用がをありますよね?」
「見たことがあるというのは、スラックスを履いていた女子生徒じゃないでしょうか。うちの学園の制服はスカートかスラックス、好きな方を選べるんですよ。でも、スカートを着用している生徒の方が多いですね。もし、ヒロトさんもスカートの方がよかったら履いてもいいんですよ? ふふっ、きっと似合います」
本当に、この学園に男子は僕しかいない?
うん
ここはエ○ゲーの世界だ。
「昨日の夜、ヒロトさんと過ごすことできなかったで……。私、我慢できません」
抑えきれないルリノさんのリビドー。
僕は
学園の門の前で
登校してくる生徒や
生徒会のみなさんや
ノアちゃんに見られながら
ルリノさんと
した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます