第4話 追放

……は?嘘だろ?

まぁ、呼ばれてないからスキルは1つかなって思ってたけどなしはねぇだろ!

ましてや無職なんてどういうことだよ!


「おい!さすがに嘘だろ!この水晶がぶっ壊れてるんじゃないのか?!」


と、王女の方を見るとゴミを見るような顔で…


「残念ですが、水晶は絶対です」


「いや…あの…」


「鑑定は以上です。勇斗様、梓様はこちらのものが案内します」


「明は…」


すると、王女が梓を見つめる。

ただ一点、梓の目を

呆れたように、言い聞かせるように…


梓が俺を見つめてくる

何か言いたげだが、声になっていない

唯一聞こえたのは“ごめんね”だけだった


………………………………………………


勇斗も梓も出ていき、俺と王女と男達だけになる


「さて、あなたには早速国から出ていってもらいます」


まぁ、こうなるか


「理由は分かりますね?」


自分でも不甲斐ないばかりだよ


「おい!貴様!王女様が質問なさっているんだ!返事を…」


王女が声を荒らげる男を黙らせる


「良いのです、どうせ私達とは関係が無くなるのですから」


クソっ、言ってくれるぜこの性悪女

やっぱりハズレの異世界だったかあいつらは大丈夫だろうか?


「一つだけ…」


「ん?」


「一つだけ、頼みがある」


「なんとおこがましい!王女様、この者は追放では生ぬるい!拷問して殺してやりましょう」


「いや、いいでしょう一つだけ望みを言いなさい」


「じゃあ一つだけ…あいつらには危害を加えるな」


「あら、そんなことでしたか、それならご心配なくあちらの御二方はとても有能なスキルを持っていらっしゃいます、あなたのような使えない人とは違ってね」


王女が嫌な笑みを浮かべる


「それならもういい、俺を追放しろ…」


俺の反応が面白くなかったのか王女が


「お願いをした対価として、あなたに渡す予定だった物資はなしということで」


ちっ!どこまでクズなんだよ


「それでいい、早くしてくれ」


王女の顔が歪む。

相当俺の反応が気に食わないらしい。


「ふんっ!顔も見たくない!」


と、言って男の中の1人に耳うちして出ていった。


「では、これから転移の魔法を使ってお前を王国の近くの森に転移させる」


ん?森だと?


「ちょっと待てよ!そこには魔物とか居ないんだよな!?」


すると、あたかも当然のように


「いいえ、いますよ、それも高レベルの魔物が沢山」


クソがあの王女!

追放とか言ってほとんど死刑宣告じゃねぇか!


「では、あきらさん?でしたっけ、せいぜい死なないように頑張ってください」


「ぢっ!このクソゴミ国家が…」


…………………………………………


そして今に至るわけだ

まぁ、なんで落ち着いてるかと言うとストレスのかかりすぎとでも言おうか

人間ストレスがかかりすぎると精神が壊れると言うがそれを超えると案外冷静になるもんだな


追放されて行くあてもないからとりあえず魔物に見つからないよう慎重に動くか


と考えている矢先に、ばったり熊みたいな魔物と遭遇した


「…え?えーっと、すんませんしたー!」


『 ぐぉぉぉ!!!』


リアルの森の熊さんは命懸けじゃねぇか!


こりゃ死んだな


と、思っていると


『 ご主人様の身の危険を察知、自動防衛スキル《初級》を使いますか?』


「は?!何これ?!まぁ、いいや!どうにでもなれ!はい!」


すると、俺が今まで動かしたことの無い動きをして熊を絞め殺してしまった


「なんだよこの力ー?!」


広い森の中1人叫んでいる俺がいた













読んでいただきありがとうございます

最初思っていた以上に皆さんに読んでいただいてとても嬉しく思います

良ければこれからも読んでいただいて★もつけて頂ければなお嬉しいです((o(。>ω<。)o))

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