5 賽銭泥棒を捕まえろ!(上)
食堂『ふじもと』での死闘(vs👵👨🏿🍳)から三日後……
平日午前10時、高松市の中央にそびえる山『
いつもの白の特攻服の背に墨字で書かれた『天上天下唯我独尊』をなびかせながら……
⛩🌲🛵ピタッ
スクーターはボロボロの鳥居の前で止まった。
さんごはスクーターにキーを刺したまま降りて、鳥居を抜けてボロボロの階段を上ると……
「あった≪❍≫≪❍≫」
周りをキョロキョロと見まわしながら、無人の神社の賽銭箱へ歩く……
賽銭箱の前で、特攻服のポケットからケイタイを取り出し……
📱≪trrr、さんごさん、着きましたか?
「オメエ? 下は? 車は通ったか?≪❍≫≪❍≫」
📱≪一台も通ってません
「うっし≪❍≫≪❍≫💧」
さんごはケイタイを切り、特攻服のポケットから割り箸をガムテ―プで繋ぎ合わせた長い棒を取り出した。
棒の先にはガムテープの付着面が水平に固定されている。
そう……
食堂『ふじもと』での死闘以降(残金1700円)は『エースコック スーパーカップ1.5倍 とんこつこってりラーメン』と『都こんぶ』で空腹を凌いできたのだが……
残金が100円を切ったさんごは一線を越える覚悟を持って賽銭箱の前に立っている。
今、さんごが願う事は、ただ一つ……!
≪❍≫≪❍≫💧.。o○ 頼む……入っててくれ…… 500円くらいでいいんや……
いざ!! 賽銭箱の中を覗く!!
《◍) (◍》「えええええ!?」
一枚の万札が見えた!!
≪❍》《❍≫「まじ? 罠? これぜったい罠ぁぁあ? あ? 監視カメラ?」
再び周りを見渡す!
監視カメラも探す!
≪❍》《❍≫「人もねえ? カメラもねえ? マジで神社にオレ一人??」
さんごはガムテープ棒を賽銭箱に入れ、
💧《❍》《❍》「ハァ……ハァ……もしかして、この一万…… 一万も入れるって事は……」
・
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・
・
👧「ゴホゴホ、おとうさん、おかあさん、ワタシ……手術成功するかな? ワタシ、小学校に行く事ができるのかな?」
👨「絶対に大丈夫だよ」
👩「パパとママが神社にお願いに行ったから大丈夫」
・
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・
・
・
> < 💧「くうう……無理や……取れん……」
結局、さんごは賽銭泥棒が出来ずに山を下りた。
⛑💦「さんごさん、どうでした?」
「……賽銭箱の中には一円も入ってなかった<❍><❍>」
⛑✨「やっぱり…… でも、これからゴハンどうするんですか?」
「分からん、明日から何かのバイト探すわ、家に帰っぞ<❍><❍>」
⛑「はい! 途中、私のアパートに寄って麦茶のパック2枚くらい持って帰りましょう」
🚘🚥 🛵🛵~ 🌲🌲🌲
その日の夕刻……
さんごの寝床のガレージがノックされる。
「あ? だれや?<❍><❍>」
⛑「もしかして、さんごさんの両親が帰って来たのかもしれませんね!」
「それならジジイ(父)を脅して金欠から脱出できるな≪❍≫≪❍≫✨」
さんごがガレージを開けると、男女の警官👮👮🏻♀️が立っていた。
「なんや? おい? サツが何の用や?<❍><❍>」
👮「すこし良いですか? 匿名の通報があったので、任意で事情徴収をさせて貰いたいんですが?」
👮🏻♀️「テントウムシのヘルメットのお姉さん、午前に『浄願寺山』に行かれましたよね?」
「あ? ドライブで行ったけど……それがなんや?<❍><❍>」
👮「『浄願寺山』の神社で窃盗がありましてね? 賽銭箱の中には一万円が入っていたはずなのに盗まれたんですよ」
👮🏻♀️「山のふもとで止まっていた車のドライブレコーダーに、山から出てくるテントウムシのヘルメットを被った人物が映っていたんですよ? それと、すでに確認させて頂いて、外に止めてあるスクーターも同一なんです。 高松署まで来てください、事情徴収おねがいします」
男女の警官はさんごを左右に挟み腕を掴んだ!
「オレはやってねえ! 離せオラ! ≪❍≫≪❍≫」
さんごが抵抗した時、
ポト……
特攻服のポケットからガムテープ棒が落ちる。
「あ? <❍><❍>💧」
👮「これを使ったんだな?」
👮🏻♀️「逮捕します」
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