第7話 夢の中の女性が増えていたことが、まず、エッチな予感。「…私は、君と、気持ちの良い関係に、なりたいの!」これだから、日本の夏は。

 夢の中の女性を、追いかけまわしていた。

 「つかまえた!」

 「ああ…」

 「ここ…。気持ち、良いのか?」

 「はあ、はあ…。ああ…ねえ?」

 「何だよ?」

 「向こうの部屋に、いかない?」

 女性が、彼の背中のほうを、指さした。

 「あ!」

 「…どう?」

 さすがは、夢の中。キャンプの宿泊で使うような小屋、バンガローが建てられていた。自然と、中に、招き入れられた。

 「殺風景、だな…。だだの、木の空間」

 「私たちの部屋に、ようこそ」

 「…私たち?たち?」

 もう1人の女性が、木の天井に足を付けて、垂れ下がっていた。

 「何だ?まるで、コウモリの格好じゃあ、ないか」

 重力で、胸が垂れ下がっている様子は、なかった。ゆ×り君には、期待していた姿なんだろうけれど。

 「あ。がっちり、下着姿」

 天井の女性の顔は、にこやかなまま。

 「きたわ、吸っちゃう!」

 はらり…。

 ふわり…。

 天井に垂れ下がっていた女性が、フロアに降り立った。女性は、体重が軽かったろう。

 「…誰?」

 「あら、なあに?」

 「お姉さんの髪に、天井のすすが、ついているんですが…」

 ゆ×り君も、積極的じゃないか。こういうときには、知らない人とも、話せるんですね。

 彼女の髪に、両手を、伸ばそうとした。

 「…やあん」

 彼女の、かわいらしい吐息。

 ゆ×り君の指が、彼女のやわらかな胸に、触れてしまったらしい。

 「…エッチ!」

 「ご、ごめんなさい」

 「…もう」

 「あの、誰なんです?」

 「なあに?今、私を触った、言い訳?」

 「ち、違います」

 「…これだから、日本の夏は、暑すぎるのよね」

 彼女の顔は、赤く、ほてっていた。

 「私は…」

 彼女の顔が、ぐっと、赤くなった。

 「…私は、君と」

 「…」

 「気持ちの良い関係に、なりたいの!」

 彼女に、抱きつかれた。

 エッチな感触が、香水のにおいと共に、復活していた。


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