もしも話

赤猫

世界が終わるとしても君と過ごす

 もし今日世界が終わるとしたら?

 そう俺の恋人が突然質問してきた。

 コイツが急に変なことを言い出すのはいつもの事だからもう慣れた。


「なんか変な番組観た?」

「ん」


 彼女がそう言って見せてきたのは良く分からないオカルト本だ。


「これ読んでてさ世界が後数年で終わるって言ってて何となく」

「またそういうの読んで…また本棚に一回しか読まない本増やすんだな?」

「げっ…あ、あれはまた読むよ!ちゃんと読むもん!」


 使わない俺の部屋の家の本棚にそう言って何十冊以上入っているのだろう。

 だけど捨てられないのは惚れた弱みというやつなのだろう。


「で何だっけ?今日世界が終わるとしたらだっけ?」

「うん、そうなったらどうする?」

「そうだな…いつも通りお前と過ごす」

「え?そんなので良いの?遊びたいとかお高い物食べたいとか無いの?」

「それでいいの俺は隣にお前がいないと生きていけないんだから」


 少しというか結構クサいセリフを吐いた気がして恥ずかしくなって顔が熱い。


「わ、私も…一緒にいれたら良い」


 こういう照れながらも素直に言うところが好きで仕方がない。


 きっと俺は世界が今日終わりますって言われても彼女と一緒にいるだろう。

 それくらい好きで離れられない存在なのだから。


「そういえばさきさらぎ駅っていう都市伝説があってね!」

「お前しばらくそういうの禁止!」


 目をキラキラと輝かせて言う彼女は可愛いけどさ?!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もしも話 赤猫 @akaneko3779

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ