ラスボスと元凡人達の冒険譚

@Apaya

序章 1の1

私は観察するのと寝てるのか好きだ。多分他の人から見たら感覚は狂っているのだろう。観察するのは好きなのだが実際はほとんどの人に興味がないのだが。稀に面白い人間が見つけるのが私の楽しみの一つである。人が人を好きになるように私は人を物のように見るのが好きなのだ。


教室では一番後ろの席が好きだ、皆を観察できるから。そのせいで何回かクラスメイトに気持ち悪って言われたことあるのだが。

バトルゲームではコンピューター同士の戦いや友達の奴を見るのが好きだ(友達居ないけど)。

スポーツはやるより、見るのが好きだ。運動きらいだね。

 

 そんな私が事故で死ぬと暗闇を漂っていたら声をかけられおすすめの転生先があるというではないか。私はその人生も面白そうだと思い転生を選んだ。

人としてでは無く神として


 どのゲームやアニメにおける最後の敵が魔王。その先に君臨する存在、魔神や悪神や邪神だと思う。

 魔王をはるかに超えた圧倒的な力をもち、神々の力は魔王軍などすぐに殲滅できるほどだ。


 私たちの役割は、魔王を倒した勇者をゲーティアで迎え撃つこと。それまでは世界を観察したり寝ながら過ごすことができるこれ程良い条件はないだろう。私にとっては理想的な生活だった。ニート生活に目が眩んだ私は快諾し邪神として転生したのだ。


 そうやって世界を観察したり寝たりと繰り返しながら世界が出来て100億年。いくら経っても来ない!誰がって勇者ッ!!


「人間は何してるのさ!」

「人間は私たちの存在を知らないですからねー姫様」

「ロチは暇じゃないのー?」

「私は何時でも外に出れますからね〜」

「はぁーそうだよね〜いいなー」


隣の悪魔はロロペチカといい、羊のような捻れ角が生え髪は白の高身長の女性で私の秘書の様な役割をしている。

私は普段ロチとよんでいる。


 ちなみに邪神族の姿は人間に近い。ただ角が生えていたり、目が1つしかないやつもいるそんな事、以外はは別に人間と同じだ。

そして最大の違いは翼が生えてることだろうか。

これも個体により大きさなどモフモフのしている翼蝙蝠の様な翼などさまざまだ。色も違かったりする。

私の翼は3対6枚の翼でもふもふの赤と黒の翼で、ロチは2対4枚の黒い蝙蝠のような翼をしていたりする。魔力で出来ているため隠したりできる。

ちなみに翼がなくても飛べるのだがあると更に速くとべ機動力も上がる。あと、翼を出している時は1回に出せる魔力量が倍以上にあがり魔力操作を格段にあがる。


 そして私の容姿だが、髪は金髪で瞳は血のような紅い色だ。身長は165くらいの普通の身長でスタイルはいい方だろう。自分で言うのは何だが、男が好きそうな体つきだと思う。私の紹介はこれまでで次にいこう。


 初めて魔王が倒されたのは、私が産まれ世界が何もない状態から発展して1億年したところだろうか。その時には私の意識はしっかりしていた。

因みに私は赤子から育てられたらしい。邪神も赤ちゃんだったのだ、まぁ赤ちゃんと言っても世界を簡単にひねり潰せるのだが。育て親は今も私の秘書をしているロチがやってくれたのだ。そしてついに魔王が倒されたのだ。

だが、私は興味がなかったこの勇者は何も面白くなかったからだ、最初っから最強で何しても褒められるような奴だったからだ、だけど来るのは待ったが.........。

 

 でも来なかった。何年待っても勇者一行は来なかったのだ。


 だから私は調査を命じた。そしたら奴らはそもそも魔王を倒したあとに控えた魔王の上の存在を知らなかった。


 ゲームで言うとそもそも勇者は魔王を倒すために旅をするのだ。

 それがストーリーの根幹だ。最初に城に行って王様に魔王を倒してくださいと言われ餞別アイテムをもらって旅立ったのだ。だから魔王を倒したら実質クリアと考える。


そして、邪神は怪しげな教団が邪神を復活させようと暗躍するが私たちはそれに応じることも出来ないため形だけの儀式になる。


 じゃあ一方邪神の方はと言うと、いわゆる

 私の家ゲーティア。桃源郷と言い替えてもいいだろう。

ここに来るための入り口となっているダンジョンは、魔王が倒されて100年の間は出現するのだ。大体の勇者一行は財宝に目が眩みその入口に気づかないのだ。これは完璧に

"世界”の設定ミスだろう。


 魔王は倒されると一定期間後に新しく誕生する。

その期間は1年から数千年といったところ。その間はゲートが閉じないためダンジョンにはいれるのだが、誰も来ない。倒した勇者ですら来ないのだ大体勇者は寿命が長いのに関わらず。

ちなみにこの世界の人種は肉体の限界をさらに超えると肉体を捨て精神生命体と言われる不老の存在になれる。いわゆる仙人の様な存在になれる。死線をくぐりぬけ更にくぐり抜けると肉体が昇華することができる。

 

「そういうわけでこっちから行こうと思うんだ」

「何がそういうわけかわかりませんがダメですよ!」


「そもそも転生するとき、神様から条件付けられたんでしょう?」


 アザが言うように、転生時に"世界”からいくつか条件を付けられた。

 悪神の側から勇者に会いに行って、勇者を倒すことは禁止って言われた私もそれは思ったので丁度いい。

 魔王城なんぞとは比較にならないダンジョンのゲーティア。

そこをなんとか突破して、最深部に来た挑戦者に満を持して対峙する。


 そこで勇者一行を殺したり、追い払う。

そのとき人類は知ることになるのだ。魔王をはるかに超えた悪の存在、邪神を。そして人類は真の恐怖を知ることになる。

そもそも魔族や魔王は民の為に領地を広げるために人間の住む国々に侵略をしているだ全部の代が悪いとは言えない。だから、征服しても基本は人間が絶滅することはない。

だが、私達は違う、面白いからと言って産みの親の世界すら破壊をできるのだ、しないけど。


 ”世界"にそういう演出でお願いしますと言われた。

最初の挑戦者が来るまでしばらくかかるだろう。その間観察しかすることないからすごい暇だよと。


 そんなことで100億年も経ってしまったわけですよ。

いくらなんでも100億年は長くないですかね。

 魔王なんてもう何百回何千回も倒されてる。勇者も同様に倒されてる。


 今も魔王は退治済みで、人類勝利エンド後の世界である。エンド後と言っても、ゲームと違ってそこですべてが終わるわけじゃないけどな。人々の暮らしは物語のように終わったりはしない。


 ただ特に語ることがないだけだ。魔王が倒され、平和になった世界。人々はしばらく幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。


 これじゃあ困るんですよね。観察するほうとしても。前回の魔王ヴァサゴが倒されて100年。一番つまらない時期である。


 魔王が居なくなったらなったで、人間は人間同士で戦争したりする。それはそれで見ていて楽しい。

この世界は地球とは違い主な戦いは魔法や近接武器などの戦いで地球では絶対見れないような戦いが生で見れるのから面白い。


 魔王が何度でも現れるというのは人類側も理解している。

なので平和になってからも各国軍備は増強し続ける。魔王が出てくるのが遅いと、そのはけ口を他国に求める国が出てくるのだ。今のうちに世界統一するか、みたいな。だけど結局魔王に侵略され国が終わることがあるから王が無能だと下も無能になるのもしょうがない。


はぁー待つか。


 そして私はありとあらゆる場所を、この神眼によって見ることができる。では、今日も観察することにしよう。

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