雨に濡れ続ける人々
!~よたみてい書
新しい土地と万能型戦士
茶髪の少女は電動ローラースケートに身を
(見えてきた! あそこが今日から私が通うことになる高校!)
茶髪少女は十代半ばの容姿をしていて、身長は約百五十五センチメートル。
前髪は眉の上で流し、後ろ髪は肩まで伸びている。
少し下がった目じりからは優しさを感じ、茶色い瞳が宿っていた。
ベーシックな半袖とショートパンツを身に着けていて、胸部に小さなふくらみが出来上がっている。
茶髪少女は高校を目指して歩いている生徒、同じく電動ローラースケートで道路を走行して向かっていく生徒に目を配りながら、
(いや、ここは『私たち』って言うのが正解だよね。私だけじゃない、みんなも新しい生活が始まろうとしている!)
茶髪少女は他の新入女生徒らしき人物を目で追っていき、
(どうしよう、入学初日からいきなり他の人に声をかけて友達作っていく? スタートダッシュ決めて、最初から地盤を固めていった方がいいのかな?)
★
茶髪少女は駐輪場に電動ローラースケートを停めた後、近くにいた黒髪の女生徒に駆け寄っていき、
「あのー、もし間違っていたら申し訳ないのですが、新入生の方でしょうか?」
「えっ、そうですけど。何かごようですか?」
黒髪女生徒は戸惑いを見せながら茶髪女性に答える。
茶髪女性は小さく微笑みを向けながら、
「そうなんですね! ほっ、間違ってなくてよかったー。あ、私も今日からこの高校に入学する、二組のサトミって言います」
「私は一組のトモコです」
サトミと名乗った茶髪少女は、頬を軽くかいていき、
「一組なんですね。そっかぁー、同じ組じゃないんですね。でも、組が違うからって仲良くしてはいけない理由はないです! そんな決まりないです!」
「えっ、えぇ。まぁ、そうだね」
「トモコさん、いやトモコちゃん。もしよかったらなんだけど、その、お友達になってくれないかな?」
トモコと名乗った黒髪女性は一瞬苦笑を浮かべた後、微笑みなおし、
「いきなり!? まぁこんな私でよければよろしくおねがいします」
「トモコちゃんがどんな人かなんて知らないよ。だって、これから知っていくんだからね!」
「まさしく正論だね」
「というわけで、一緒に中に入ろう」
「うん。サトミちゃんは地元の人?」
「え、私? 私は――」
二人はおしゃべりを続けながら前方の校舎に向かって歩いていく。
★
サトミは駐輪場に電動ローラースケートを停めながら、
(……でも、そんないきなり馴れ馴れしく接したら迷惑だよね。初日で出来事すべてが初体験なんだもん。緊張してるはずだよ。だから、私は初日からの友達作りから逃げ……る)
無表情を作りながら黒髪新入女生徒の横を通り過ぎていき、昇降口に向かっていった。
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