【無自覚最強の僕は異世界でテンプレに憧れる】 ~転生前は病室しか知りませんでしたが、今世はスキルだよりに気ままなハーレム旅を楽しみます。トラブル体質でも、超『健康』なので問題ありません~
第157話 ちょっと困った人達を拾っちゃいました
第157話 ちょっと困った人達を拾っちゃいました
ガシャンと音を立て、オーなんとか男爵さんは崩れ落ちましたので、鎧や魔道具を収納して、奴隷の腕輪を嵌めました。
「あっ、ああ、どうすれば良いのだ」
「魔物はやっつけましたから帰っても大丈夫ですよ。コボルドさん達も、地龍もですし、討伐する魔物がいません。あなた方は僕の持ち運びハウスを強奪しようとはしないのですよね? やるなら捕まえますよ」
「いや、やれと言い、賛同したのは最初の騎士長、オーベシダッド男爵の息子だけだ。私達は雇われの兵士、反論はできなかった、すまない」
貴族とその息子にそろって言われると、無理ですよね。
「いえ。じゃあ僕は貴族の盗賊を連れて、そうですね、もうお屋敷で良いですかね、では転――」
「ま、待って下さい! お二人を連れていかれては、私達はどうすれば良いか」
どうしましょうか、雇われでしたら雇い主がいなくなっちゃったのですよね······二百、いえ三百人くらいいますし······あっ! そうです!
「そうですね、まずは自己紹介から」
近くに集まっていた方達は僕の言葉を待っています。でも、雇い主とは言え、今の上司を捕まえられて、何も行動できないのはあまり褒められたものではありませんが、カヤッツにお勉強を頑張ってもらいましょう。
「僕はライリール・ドライ・サーバルと言います。もし良ければ父さんのサーバル伯爵領で働きませんか? 色々と開拓する方が増えてきたのですが、守る方が増えてません。なので、皆さんが良ければ来てもらえると嬉しいですね」
「ライ。あのね、そう簡単にはいかないわよ。この方達にも家族がいるはずだし、家族ごと来てもらえれば解決だけど、この人数の家族となると物凄い人数になるわよ」
「サーバル伯爵!? いや、しかし剣聖が確かサーバルだったような、だが男爵だったはず」
「はい。伯爵にはなったばかりですね。それから僕の事はライで大丈夫です。三男ですから家を出て冒険者してますし」
「そ、そうか、それは助かるのだが。いや、話を戻そう。オーベシダッド男爵は男の孤児上がり冒険者だけを雇い、私兵にしている。だから俺達には家族と呼べる者は同じ孤児院出身と言うだけで、本当の家族ではない。年齢も私が二十二歳とこの兵士の中では上の方で、下は十二歳から上が騎士長と同じ二十五歳、二百九十八名。広い帝国から集めた、安上がりな私兵と言われていた」
あら、それなら問題解決? あ、一応聞いておきましょうか。
「では私兵はあなた方だけなのですか? それと、どの程度の賃金でした?」
「いや、正規の騎士は街を守るため、今回の討伐には来ていないが、この三倍はいるはずだ。賃金は年に大銀貨で多い者は八枚、少ない者はその半分だな。だから普段は冒険者をまだやっている者がほとんどだ」
ん~、それだと本当に生活するだけで、無くなっちゃうんじゃ、一応父さんに相談だけど、もう帝都に行っちゃったかな?
「一旦ライが雇えば? 地龍の革をカヤッツに渡しておけばそこから賃金も出るでしょうし、今より多く出せるんじゃない? まあ、それより先に、来てくれるかどうか、確認してもらえば良いじゃない」
「ありがとうテラ。その手で行きましょう! お兄さん、みんなに聞いてもらえますか? たぶん年に金貨数枚にはなると思うのですが」
「き、金貨数枚! よ、よし聞いたか、あの剣聖の所で働けるそうだ、手分けして、さんか不参加を聞いて、そうだな、参加の者は街道のこっち側へ不参加は帰っても良いが、一旦反対側に集まろう。行くぞ!」
「おう!」
そう言うと、近くにいた十人ほどが隊列を組んだままのところに走って行き、大きな声で、説明しています。
「ん~、カヤッツにはキツ目に教えてもらうべきね、ライが言ったことを鵜呑みにして、そのまま考えもしなかったじゃない? これまで何も考えずに人の言う事だけをしてきた証拠ね、自分の考えが無くてよく冒険者なんかやってたわよね」
「うん。そこが心配だよね、まだ若いんだからこれからですよ、あっ、ほら移動し始めましたね。············あはは、街道の向こうに行く人が一人もいないなんて、思わなかったけど、うん。カヤッツには今度お土産を何か渡す事にするね」
一人の欠落者もなく、総勢二百九十八人の兵士がサーバル伯爵領に来る事になりました。
一応テラがあきれながらもいつものように悪い称号が無いか見てもらい、犯罪系の称号も、持っている者はおらず、二人の盗賊も一緒にお屋敷の門前に転移で戻りました。
「カヤッツいる?」
門で見張りをしている方に話しかけると。
「坊っちゃん、また沢山連れてきましたね、ですが、今度は」
「うん。悪者はこの二人だけだよ、帝国のオーベシダッド男爵と、その息子が強盗してきたから捕まえました」
カヤッツは苦笑いをしながら、倒れている二人を見ていますが、すぐに僕の方を見直して。
「バカな奴らですね、悪さなんかするから奴隷になるのです。で、その後ろの方達は? 見た所兵士のようですが、揃いの革鎧ですし」
「この方達はですね――」
カヤッツに事の発端から、ここに来るまでの事を話し。
(それからね、この方達はキツ目に教えてあげてね、たぶん言った事しかできないみたいなんだ)
カヤッツは小さく頷くと、苦笑いをしています。
「それからね、この方達の賃金だけど、ほいっと!」
庭の方で、誰にも当たらないように地龍の皮を出しました。
「これでしばらくは払えるよね?」
「······坊っちゃん、これはまた大物を、まあ、一生分払えますよたぶん」
カヤッツはあきれ顔でそう言いましたが、一緒に来た方達は『なんだよあれは!』『地龍!? あんなの倒しに行くはずだったのか?』『何がデカいトカゲだよ、あんなのと戦えば死ぬだけだぞ』とか。
「じ、じゃあカヤッツ、後はお願いね、僕は帝国に戻ります、今度は何か良いものお土産に持ってくるね! 転移!」
パッ
「あはは······坊っちゃん、中々の厄介ごとを······良いお土産ですね、期待してまってますよ、本気で。······はぁ、仕方ない、使えるように頑張りますか」
そして僕は、カヤッツにどんなお土産が良いか、考えながら次の街に向かいました。
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