第127話 お宝ですよ
「ほいっと!」
シュパッ! ゴトン!
「ほらほら忘れず収納しなさいよ! そいつらは落ちた手を引っ付けちゃうから無くなればまた生えてくるから!」
「うん。任せて! そい! ワイバーン超えてっ! 来る価値あるよねここ! そりゃ!」
「金銀銅オリハルコンにアダマンタイト、ヒヒイロカネまでいるのよ! これは絶対あのワイバーン超えてないわね。こんなのあったら絶対にもっと冒険者が溢れてるはずだもの」
そうだよね。一階層ごとにゴーレムさんなのですが、土と石、鉄と銅、銀、金、白金、オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロカネと来ています。
そしてこのゴーレムさん達は、再生するようで、取り放題なのですから、ガルさんに教えてあげたいですよ本当に。
「そろそろ打ち止めのようね、再生してない子達が増えてきたわよ。じゃあ次は二十階層だしボスを倒して今日は終りましょう」
「うん。そろそろお腹も空いてきましたし、ほいっと! そうしましょう。そーれっ!」
ズシン。でもしばらくはヒヒイロカネゴーレムの再生を待ちながら腕や足の採取を続け、生えなくなったところで倒してしまいました。
「ふう。終わりです。次はどんなゴーレムでしょうか?」
「ん~、このヒヒイロカネより希少なのはあるにはあるんだけど、ダンジョンで産み出すには無理があるわね」
二十階層への階段に向かいながら収納からジュースでひと休みです。
「ふーん。そんなのあるのですか。そんなので作った武器は凄く強いのでしょうね」
「そうね、ライが今使っている武器がそうよ。神鉄が使われているのよ」
「おおー! この武器がですか! 鉄だろうとアダマンタイトだろうと普通に斬れるので凄い武器だとは思っていましたけど、折れも曲がりもしませんし」
「そうね。神器の中でも上位の物よ、そう簡単にはそんな事にはならないわ、まあなっても元に戻っちゃうんだけどね、ほらほら階段よ足元見て下りてね」
「うん」
階段を下りて行くとやはりそこには大きな扉があって、今度はゴーレムっぽい彫刻が施されていました。
飲み終えたジュースのカップを収納して扉を押すとワイバーンの部屋と同じ様に最初以外は勝手に開いてくれるようです。
そして中にいたのは――。
「ジュエルゴーレムよ! ライ! ぐるぐる禁止! 魔力で回復するから魔力を減らすと採取する量が減っちゃう!」
「あはは······了解! いきますよ!」
女の人は本当に宝石が好きですね、キラキラしてますから綺麗ですし、よし、いっぱい採ってテラやみんなにもプレゼントしちゃいましょう。
ジュエルゴーレム達は僕が部屋に入った途端動きだし、金属系のゴーレムとは違い中々の素早さで向かってきます。
ですが、三メートルを超える身長ですから僕はゴーレム達の足元に飛び込み打ち下ろしてくる腕から刀を振るい切断、そして収納を繰り返して、その集団の中を一直線に抜けていきます。
「良いわよライ! 次は外からぐるぐる回って端からやっちゃいなさい!」
「それ良いね! いっくよー!」
途中お腹が空いてきましたので、この前のサンドイッチを出して噛りながらぐるぐる回りますが動きが読まれ出したのかバラけようとする奴が出だしたので、足元への攻撃に切り替えて行きます。
すると倒れちゃいますから回復するまでバラけられなくなり、それに足を直す方が時間もかかりますから余裕が出てきました。
ジュースを片手に倒していたのですが、数がどんどん減ってきたゴーレムはついに最後の一体が倒れ動かなくなり収納すると、そこにまた宝箱が出現しました。
「お疲れ様。良く頑張ったわね、流石よライ」
「倒しながらの夕ごはんになっちゃいましたね、でも沢山宝石が採れましたし良かったねテラ。ほら宝箱もあるからまた罠がないか見てくれる?」
「任せて。
また左手の手首にテラを乗せたムルムルを乗せて、せーので開けました。すると前に見たことあるような、黒いダイヤモンドが入っているのと、そしてまだしたに何か入っているようです。
「テラこれってまたテラの?」
「ぬふふ。その様ね、それに下にも盗まれたマントね。良い物だからライに貸してあげるわよ。そのツノガエルのマントより良いわよ、気温の調整してくれるから、熱くても冷たくても大丈夫な代物よ」
僕はブラックダイヤモンドを左手に、マントを右手で持ちあげました。テラはブラックダイヤモンドに手を伸ばしてペトって触ると。
「うんうん。また少し戻ったわね。ライ、もうしまっても良いわよ」
「良かったね、これで二つ目だけど、ダンジョンで見付かるってことは、これからもダンジョンを回った方が良いですね」
「そうね、ライには好きに旅してもらいたいのだけど、そうしてもらえると、助かるわね」
そして、マントをテラの物に変えて一応二十一階層を見に行ったのですが。
「海ね」
「海だね、これは船がないと攻略できませんよ。あっ! でも塩を作れますよね! この国境の砦街は結構内陸ですし、帝国から輸入すると高いでしょうから! ······このダンジョンは無理ですね、ワイバーンとジュエルゴーレムを超えて来ないと駄目ですから」
「そうね。普通に来れるとしてもワイバーンまでよね。まあ良いじゃない、そこは他の冒険者達に任せましょう」
そして今晩は、二十階層の部屋に持ち運びハウスを出して、お泊まりすることにしました。
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