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 勇者召喚の儀式によって呼び出されたのは、二人の高校生紫吹龍也しぶきたつや大河たいがの兄弟であった。

「一卵性双生児?」

 双子とは何であるかを聞かされて、法王エリカは再び首を傾げた。

 言われていることは分かるが、この世界では人間が同時に二人以上生まれることがないのだ。目の前の存在が理解不能な事象に分類されてしまう。

「さすがに異世界……」

「「そこで感心されても困る」」

 龍也と大河は頬を膨らませた。今更盛大に双子あるあるを感心されても、相手をしづらい。

「双子とは同じ考えを分かち合っているものですか?」

「そんなことはない」

「頭も体も別々だ」

「「偶然同じになることもある」」

「いや、偶然じゃないだろう!」

 法王は混乱した。

「申し訳ないが、できるだけ別々に喋るようにしてもらいたい。頭が痛くなってくるので」

 二人は顔を見合わせた。アイコンタクトで龍也が会話をリードすることを決め、大河はフォロー係に回った。

「よかろう。俺が話を聞こう」

 ようやくまともな会話になると、法王はほっと息をついた。

「それではご質問に1つずつお答えしましょう」

 そう言って、今回の勇者召喚について説明を始めた。

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