大きくなってしまいました。
小学生から中学生になった。
俺が大きくなったように、周りのやつもだいぶ成長した。
単に背が伸びただけじゃない。
物事の分別がつくようになってきた。
例えば、俺と遊ぶより兄さんと遊ぶ方が楽しいって気づいたり。
学年が上がっていくごとに、友達が減っていった。
減った友達がどこへ向かうかというと、全員兄さんの友達に変わった。
同じ学年で兄さんを知らない奴はいない。
行事ごとで目立ったり、クラスを跨いで友達を作ったり、その友達の友達と仲良くなったりして、いつの間にか、兄さんはたくさんの友達に囲まれていた。
一方俺はというと、クラスメイトと喧嘩したり、理不尽に先生に叱られたり、全く少しも悲しくなかったがいじめられたりもした。
そんな俺を見て兄さんは、「千冬も一緒に遊ぼう」なんていうけど、兄さんの周りの友人がそれを聞いて嫌そうな顔をしているのを見ると、はいありがとうとは言えないのだった。
辛くて、夜、一人で泣く日もあった。
つい自傷してしまい、手首をボロボロにする日もあった。
だけど、周りの大人も同級生もそれには気付かずに、いつも通り俺を仲間外れにしてくるのだった。
憎悪 海原シヅ子 @syakegod_umi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。憎悪の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます