僕が死んだら? また君と結ばれたいと想っているよ。

神石水亞宮類

第1話 死んでも君を想う。




僕ね癌なんだって! 余命が良くて1ヶ月。

医師からは、最悪1ヶ月も生きられないと言われた。

それでも僕は君が好きだから、直ぐに生まれ変わって君と結ばれると

決めているんだ!

きっと、いや? 絶対に君とまた生きて結ばれると信じている!





・・・でも? 君は泣きながら笑って僕にこう答えたよね。



『死なないでずっと私の傍に居て。』

『・・・ご、ごめんな、それはもう無理なんだ。』

『わ、私、冬人が死んだらどうしたらいいの?』

『だから、僕がまた生まれ変わってきっと、いや絶対に君と結ばれるよ。』

『またそんな夢みたいな話、ある訳ないじゃない!』

『・・・安那、』

『ごめん、言い過ぎちゃった、でもね、冬人にはもっと長生きしてほしいの。』

『・・・わ、分かってる』

『う、うん、ごめん、無理言って、』

『いいんだよ、安那が悪い訳じゃないんだから。』

『私、冬人が死んだら絶対に他の男性と付き合ったり好きになったり

しないって約束するから!』

『そ、そうじゃないんだ! だから僕が生まれ変わったら、、、。』

『愛してるよ、冬人。』

『僕も愛してる安那、』

『・・・だから、し、死なないで、』

『・・・・・・』






彼女は僕の話を夢事だと思っていたらしい。

そりゃそうだよね、死んでまた生まれ変わって彼女に会いに来るなんて

あり得ない話だと思う。

だけど? 夢で見たんだ、僕が死んだ後別の男性に生まれ変わった

僕が彼女と“また”結ばれるところを......。

嘘みたいな話だったけど、物凄く今でもあの時の夢を鮮明に僕は憶えている。

見た目は全く僕じゃなかったけど、魂は確かに僕のモノだった。

別の男性の体に僕の魂が入ったんだと分かったんだ。

あの感覚は忘れていない。

僕の魂は間違いなく他の男性の体に入っていった。

だったら? 必ず僕は死んだ後、彼女に会いに行って結ばれる。














・・・その後僕は、27日と15時間で亡くなった。

医師が僕に言った通りだ! 僕の命は1ヶ月ももたなかった。

彼女は最後まで僕を見取ってくれた。

弱っていく僕を毎日見ながら辛くても一度も僕の前で泣かずに

居てくれた彼女。

本当に感謝しかないよ。

だけど僕は知ってるよ、僕が見てないところで何度も君が泣いてる姿を。

今度僕が生まれ変わったら、もう二度と君を泣かせないと誓う!

だから素直に別の男性になった僕を受け入れてほしい。








僕が亡くなって3ヶ月後。

僕は別の男性の体に魂が入り彼女に会いに行った。

彼女はびっくりしていたけど? 僕と彼女しか知らない事を話すと

少しづつだったけど信じてくれた。

今からは、彼女に完全に信じてもらえるように努力するしかない!



『嘘みたい! 冬人だけど冬人じゃないみたいだし。』

『見た目が違うからな~』

『これって? 私が直ぐに“新しい彼氏作ったみたいに見えるよね?”』

『・・・うーん? そうだな。』

『冬人が亡くなってたった3ヶ月で、他の男性と付き合うなんて

淫ら女よね!』

『僕が冬人だと分かれば、安那が一途な女性だと皆分かってくれるんだけどね。』

『・・・そうだといいんだけどね。』







 *





【あぁ!】

『えぇ!?』

『安那ちゃん? その男性は、、、?』

『・・・・・・』


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僕が死んだら? また君と結ばれたいと想っているよ。 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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