第7話 5人編成でいいのか

もう、学年末の時期だった。

4人は久しぶりに集まって放課後練習をし始めていた。

幾分、葉月の音が少し目立って悪かった。

聞くと、両親と一緒に1週間旅行に行ってたそうであった。

まぁ葉月の家は金持ちなので仕方なかったが、これからみんなに追いつく様に言われていた。  

まぁきつく言ってたのは、あすかだったが。

  

4人は再び学校でも家でも、過激な練習を熟していた。

入学してくる新入生への歓迎の歌も用意しないといけなかった。

これはオリジナルではなく、みんなが知ってる歌にしようと言った。


【にじいろ】【ヒカレ】【桜坂】【始まりの場所】【やってみよう】【チェリー】に絞られた。


まぁ、時間と場所により曲目とかは変わっていく。

お祝いと共に、新たな部員をも集めていた。

バンドに後、ギターとかも欲しかったのは事実だった。


新入生が前日入学式を終え始めての登校日の日、各自カラフルなチラシを持っていた。

配る時間は決められていたので、チラシ配りを校門とクラス分けの掲示板の前で配った。

部活紹介の体育館での演奏時間は限られていたので、2曲を披露した。


「みなさん、入学おめでとうございます これから新しい生活が始まりますね。そんなみなさんに、お祝いの曲を2曲捧げたいと思います。まだ、同好会ですが。しっかり活動しています。気になった人は是非、放課後音楽室に見学にきてくださいね。まってまーーす。」


またもやみんなの意見に押し切られ、学園祭で着た衣装で演奏を始めていた。

学園祭の頃よりも、比べ物にならないほど上手くなっていた。


まぁそれでも吹部とかの希望者は、多い様だった。

吹部はそれほど今も活動をしていなく、部活の時間以外は休止状態だった。

新入部員も9人入ったが、ほとんど未経験者だった。

男子4人・女子5人だった。 

それぞれやりたい楽器とかを聞いて話し合った。

まぁやるからには、マイ楽器を購入しなければならないのであった。

ギターの希望者ばかりで、麗奈のギターを貸して弾かせていた。

荒い演奏で、チューニングも時々していた。


「なぁ、前から不思議だったけど麗奈。チューナー使わないのか?」


「ええ 店で勧められて家にはあるけど、ずっと机の中ですよ。こんな音でしょ?いつもみんなとの時も音合ってるし。」


「すげえな それって絶対音感なんだよ。だから、歌とかの音程も外れないんだ。」


バンドは、ギター・ベース・ドラム・シンセなどの音の組み合わせで成り立っている。

まぁアコスティックギターでの弾き語りもあるのだが。

織田律子は、まぁまぁ弾けていた。 

聞いてみると、アコスティックを少しやってたみたいだった。

律子に、4人はやる気がどれくらいあるのか試そうとしていた。

他の8人は、4人一組でバンドを結成させた。

月・水・金は、2年が使い 火・木は1年が使うことにした。

それでも楽器が揃うまでは、練習を見学してるだけだった。

ギターもベースなども、5万くらい以上がお勧めと言った。

長くやるなら高い買い物ではないし、音も良いからである。

まぁ1万のを買ってもすぐ飽きてしまうので、無理強いはしてなかった。


律子もギターを買ってきて、1週間は部活に来なくていいので家で練習するように言った。

1週間後に、課題曲のテストをするからだった。

素人ではないのでコードはバッチリだったので、後は指使いだった。

まぁ初級くらいの難易度の曲だったから、心配してなかった。


1週間が経ち、テストをするとまるでできていなかった。


「どうしたの? 律子さん。これってそんなに難しくないわよ。初級くらいの曲よ。」


「あまり練習してなかったので、すいませんでした。」


「1日、どれだけ練習したのかしら? 部活も休みにして時間あげたのに。」


「1時間くらいです。」


「あらら、1時間じゃね。私達4人は毎日6時間は練習してるわよ。土日は10時間くらいね。それでも、まだまだですものね。音楽って、音を楽しむって書くでしょ?でも、楽しむ為には、そこまで上達しないと楽しめないのよね。」


「そんなに練習してるんですか? 知らなかったです。」


「私達4人も、始めてやっと8ヶ月目よ。まだ1年も経ってないのよ。それでも、そこそこは弾けるようになったわよ。学園祭まで、同じ8ヶ月あるわよ。律子の努力次第で同じステージに立てるわよ。努力できるかしらね?」


「先輩達には追いつけませんけど、がんばりますのでよろしくおねがいします。」


「よ~し、律子はギター買ったの?」


「いいえ まだです。お金もそんなにないので。どうしようかなって。」


「自宅では、なにで練習をしてたの?アコステ?」


「はい、音が出るので時間もあまり取れなくて。」


「いくらあるの? 貯金とかしてないの?」


「してますけど、3万くらいしかないですからね。」


「じゃ、お小遣いの前借りをしても上限5万ってとこね。偽物GibsonのGrecoならあるわよ。それでも6万くらいかしらね。」


「半分、親に借りるといいわよ。」


まぁこの辺りの話しはほとんど葉月がしていて、麗奈は黙って見てるだけだった。

土曜日に、5人は楽器店に行きギターを見ていた。

高いものはキリがなかった。

律子には、5~6万のを見せていた。

まぁGrecoはもう作られておらず、新品はそんなに出回っていなかった。

それでも本数が多いので、店には4本くらい6万円代のがあった。


彩香は練習用のアンプ内蔵ヘッドホンをプレゼントしていた。

あすかは、教本とピックだった。

おいおい、あんたらお金持ちだからいいけど・・・・・・・・・

麗奈は次の日、チューナーを律子にやった。


こうして律子も本気で、ギターの練習に取り組んでいった。


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