恋は角砂糖のように甘くて脆い。
ろいやる。
第1話 嘘の告白
肩まで着く、銀色の髪にセーラー服の何処かの中学の制服を着た少女...星宮夜がショーウインドウの中にある不思議の国のアリス風の洋服があった。ショーウインドウのガラスが青い瞳を爛々と映す。
「あー...可愛いなぁ。着てみたいなぁ。でもお金が...あるっけ?」
左手に握っていた黒色の鞄の中に右手を突っ込み、淡い水色の偽物のダイヤモンドがはめ込まれている財布を開くと五万円弱。買えることには全然買える値段だが、少女はため息をついてその場を離れた。
しばらく歩いていると、急に肩を叩かれ何事かと思い後ろを振り向き構える。
顔を見ると知った顔の人物であった。
「星宮じゃねーかっ!」
彼、クラスメイト・時津蓮は黒色のぼさぼさとした髪を手でかきながらにかっ!と私に向けて笑顔を見せた。
......呑気で良いなぁ。
心の片隅でそう思いつつも、私も苦笑いを彼に向かい返したかと思うと、ぷいとそっぽを向き、再び顔を曇らせた。何と言えばいいだろう。明日は最悪な事に期末テストがあるというのに。
「どうした?落ち込んで...おーい!!」
彼は私の肩をつんつんと叩くが、お構いなし鞄から英語の本と下敷き取り出した。
英語の学習を始めて二、三分後程度経つと彼は諦めたのだろうか
「ちぇー。つまんねぇの。」
と言い捨て去って行った。『別に私はこれで良い』と心の誰かがそう言うと英語の本をしまい、早歩きで歩き始めた。またしばらく経つと再び肩を叩かれる。
「...俺の事嫌いか?」
蓮だ。かまってちゃんだなぁ…。めんどくさそうな目で彼を見ると、何故かと照れ始めた。
「俺、お前の事好き。」
は?脳裏に真っ白な空間が押し寄せる。何言ってるんだこの人。恋愛って言うの?これ?本当につまんなーい!!!
そう思いつつも顔は真っ赤に染まるものである。
「はっ...?な...なな...何言ってるの?そ…そんなんで、すっ…好きのなるわけないじゃないっ!!!」
明らかな照れ隠しで答えると、冗談のつもりで言った彼は何この子ツンデレ…??と鼻で笑った。
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