第24話
放課後、春香は友人と出かけると言われたため、別々に帰ることになった。
俺も他に用事があったため、丁度よかった。今のうちに愛原君と話しておきたかったのだ。
直人に聞いたところ、愛原君はバスケ部で汗を流しているということだったので、部活が終わる時間まで図書室で勉強して時間をつぶすことにした。
いつも使っている参考書を机に広げた。一問一問丁寧に、確認するように説いていく。ほとんどの問題は春香に教えてもらったおかげで解くことができる。解けない問題もあるが教科書などに照らし合わせていけば解けない問題などない。
2時間ほど勉強をしたところで、そろそろバスケ部の練習が終わる時間だと気が付いた。今日は体育館が長く使えないから18時くらいで部活が終わるらしい。
図書室も18時までなので丁度良かったといえば丁度良かった。
ふと、携帯が鳴っているのに気が付く。春香からだろうか?
今日は20時くらいになると言っていたので迎えに行くから連絡してほしいと伝えていたのだ。
「甘江田君?春香がいないんだけど、もう一緒に帰ってる?」
電話の相手は、クラスメイトで春香の友人
「いや、こっちには連絡来ていない。仲間さんは、どこで春香とはぐれたの?」
「私と春香と紗月で駅前のカラオケまねきたこに来てたんだけど、春香がいつまでもトイレから帰ってこなくて。紗月がトイレに探しに行ってくれたんだけど誰もいなかったって。
だから今、紗月と二手に分かれて探しに出ることにしたの。」
最悪の状況かもしれない。行動が遅かったんかもしれない。
そう思った瞬間には、俺の体は走り出していた。玄関口に差し掛かった時、隣のクラスのバスケ部員を見つけた。
「あの!バスケ部の愛原君って、そこにいるかわかる?」
名前もわからないが、聞かなければいけないと思った。相手も突然走ってきた男に声をかけられたからか面を食らったようだった。
「拓真なら、今日は用事があるから部活を休むって言ってたけど。なんか用事だったなら連絡しようか?」
今日、愛原君は部活を休んでいたらしい。
愛原君の目が脳裏にちらつく。春香がいなくなったことと関係があるんじゃないかと考え始めたら、犯人が愛原君に思えてきた。
「ごめん、部活出てないなら大丈夫!
ありがとう。」
俺は、駅前のまねきたこに向けて走り出した。
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「やっと捕まえましたよ。春香さん」
目の前には思井春香が、椅子に括りつけられていた。
抵抗されたため衣服ははだけていて、思井春香の姿はどうにも煽情的だった。
「これで、貴方と…。」
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