西園寺家の日常

亜月

プロローグ

 とある町の一角に、一回り大きな家がある。そしてそこにはご近所でも有名な、西園寺さいおんじ一家が住んでいる。これは、そのちょっと変わった西園寺家の、至って普通な日常のお話。





 西園寺家。兄弟姉妹で2男7女の大家族。一番上は大学生、下は小2という、ありえない程の歳の差がある。そんなきょうだいの多さゆえに、毎日ドタバタ大騒ぎなのだ。



「「「「「いただきまーす!!」」」」」

ここは西園寺家のリビング。今から夕飯の時間だ。

「うわ、めっちゃ美味しそう!!」

最初に食らいついたのは、五女のゆずき。食べ物に目がなく、すぐに自分の皿に料理を取り分けた。

「えー待って何から食べよ?」

熟考しているのが四女のあおい。たくさんの品数を前に、何を食べるか迷っているようだ。

「俺唐揚げ食べるぅー」

そう言って唐揚げの山に手を伸ばした次男のゆうと。崩れそうなのも一切気にせずどんどん取っていく。

「あーまなのも取ってー!!」

「さくらの分もー!」

待ったをかけるように叫んだ双子の末っ子姉妹、まな・さくらが、ずるいずるい、と口々に言っている。

「じゃあ俺は麻婆豆腐を…」

揉める3人を横目に、長男のかずさが手際良く他のおかずを取り分ける。

「にしても凄いね、2人で作ったんでしょ?」

感心した様子で言ったのは長女のいちかだ。目を輝かせて料理を頬張っている。

「まあね。こんぐらい余裕」

「私もめっちゃ頑張って作ったよ!」

クールに返したのが次女のれい、両手ガッツポーズで言ったのが三女のほなみである。この2人が普段の夕食担当なのだ。

 大量に並べられた料理も、あっという間になくなっていく。そして…

「「「「「ごちそうさまでした!!」」」」」

30分ほどで全て食べ終えた。食べ盛りの子供たちは恐ろしい。ちなみにこれも、西園寺家の伝説の一つ『夕飯は10品出ても一瞬でなくなる』と語られている。


 このように、西園寺家きょうだいは普通でなく、どこか少し変わっている。十人十色、予測不能。まさに変人の集まりなのだ。一体これからどんな出来事、いや事件が起こって行くのだろうか。





○西園寺きょうだい プロフィール

長女 いちか 18歳(大学1年生)

 楽観的で優柔不断。少し厨二病なところがある。

長男 かずさ 17歳(高校2年生)

 冷静沈着。きょうだいの中で一番頭がいい。

次女 れい 16歳(高校1年生)

 しっかり者。普段はクールだがたまに壊れる。

三女 ほなみ 14歳(中学2年生)

 努力家で優しい。料理やお菓子作りが上手い。

次男 ゆうと 13歳(中学1年生)

 ムードメーカー。時々予想だにしないことをする。

四女 あおい 11歳(小学5年生)

 リアリストだけど天然。ミュージカルが大好き。

五女 ゆずき 10歳(小学4年生)

 明るいサイコパス。お菓子や甘いものに目がない。

六女 まな 8歳(小学2年生)双子

 素直で天真爛漫。正直すぎて発言が刺さることも。

七女 さくら 8歳(小学2年生)双子

 甘え上手。かわいさで誰かをちゃっかりパシる。


かえで 18歳(大学1年生)

 西園寺家のいとこ。いちかと同い年。

 ハキハキしていてフレンドリー。




※この物語はフィクションです。

 名前、年齢、家族構成など全て架空のものです。

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