第2話 新しい名前と親

俺は新しい体で生まれ変わった。


「よかった、元気な赤ちゃんみたいで。」


母と思われる女性が俺の誕生を、喜んでいた。おうよ!と喋ろうとしたが、うまくまだ発声出来ない。まだまだ生まれたてで体を動かすのも一苦労だ。


「今日から家の家族が増えたぞ。長男のヨウ、次女のコウ、そしてお前が三男のリュウだ。」


父親らしいガタイのいいおっさんが自分の名をみんなに向けて名乗りを上げる。


龍之介の因果関係からか名前はリュウか。たまたまかもしれないが。


まあ、昔友達(ダチ)達が良くリュウって言ってたからなぜか懐かしくってむず痒く感じる。


俺は今日からリュウ!リュウだ!


ギュッと手に力を入れていると不意に小さい手を握りながら撫でてくるのは


「俺がお兄ちゃんのヨウだよ。お前は俺が守るからな。」


「コウも触りたいの。赤ちゃんよろしくね。お姉ちゃんだよ。」


何とも仲の良さそうな兄弟だ………。


前世では宇宙からの侵略者によって家族、妹を失っている。


この世界にも危機が迫っている。その危機を神に聞き、俺にできることをしていかなければ……。


また家族を失う訳にはいかないからな。


まずは体を慣らして、発声とトイレとハイハイからだ。


母の乳を吸い、赤ん坊であることを受け入れることから始まりだ! 


それで良かったよなおやっさん!!


多分前世での師匠のおやっさんもあたぼうよって親指立てて俺の新しい人生に幸あれって言ってくれるに違いない。


一時は赤ちゃんを満喫するしか手がないので、あった。

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