ギルドからラブレターが届いたんだが!?
くろーろ( ˘•ω•˘ ).。oஇ
ギルドからラブレターが届いたんだが!?
「うっ」
目を覚ました。「はあ、はあ……」
息が荒い。汗をかいているのに気づき、上着を脱ぐ。
ここはどこだ? 薄暗い部屋を見渡す。窓際にベッドがあり、俺はその上に寝ていたようだ。
「……そうだ、俺たちは」
記憶がよみがえる。確かダンジョンで……。
ベッドから起き上がると、部屋の隅にある机の上に何かあるのを見つけた。
それは手紙だった。
『目が覚めたら読んでください』
そこにはそう書かれていた。
俺宛か? 封を切り中を見る。
『拝啓 あなた様へ この度は私どもの救出活動に協力してくださいましてありがとうございます。
さて、今回の件についてですが、我々としては感謝しかありません。しかし同時に申し訳ない気持ちもあります。
というのも、今回お助けいただいたあなた様に報酬をお支払いできないのです。
というのも我々は一介の冒険者ギルドにすぎず、金銭的余裕がないのです。誠に心苦しいことですが、どうかご理解いただきたく思います。
そこで今回はせめてものお礼として、こちらを差し上げたいと思います。
どうぞ受け取ってくださいませ。
敬具 冒険者ギルド・マンパR支部一同より』
なんだこれは? 読み終えた後、封筒の中を確認する。すると中には小さな宝石のようなものが入っていた。…………まあいいか。
別に金には困っていないしな。それにあれだけ大暴れしたんだ。ギルドだって金が足りないだろう。
ぴかーーーーーーーん
「うわあっ」
突然目の前が光った! 思わず声が出る。そしてその光が収まると、机の上にあったはずの宝石は無くなっていた。代わりに一枚の紙が置かれていた。
そこにはこう書いてあった。
『このたびはご協力頂きありがとうございました。つきましては、当方にてお渡しする予定だった謝礼金の代わりとしてこれを差し上げたいと思います。どうぞ受け取ってください。
冒険者ギルド・マンパR支部一同より』
何が起こったのかよくわからないが、とにかくこれで一件落着ということらしい。
俺はベッドから立ち上がり、思いっきり叫ぶ。
「早く渡せよ!」
目の前にひらひらと紙が落ちてきた。
『はい』と書かれている。
それを見た瞬間、俺は飛びつくように拾い上げる。
やった! やっと手に入れたぞ! 手の中にあるのは、『ラブレター』と書かれた紙である。
これは先日、学校の休み時間に女子たちが回していたものだ。
いわゆる恋文というやつだが、俺はギルドから謝礼に代わりにラブレターをもらったのだ。
「早速開けよう!」
わくわくした気持ちで包装をびりびり破く。
そこには衝撃的なことが書かれていた。『この度はご協力頂きありがとうございました。つきましては、当方にてお渡しする予定だった謝礼金の代わりとしてこれを差し上げたいと思います。どうぞ受け取ってください。
冒険者ギルド・マンパR支部一同より』
なんだこれは? どういうことだ?ラブレターじゃないのか!?ふざけんな!
「もういい」
また紙が現れる。
「うぎゃあ!」
俺は感情に任せて思いっきりその紙を投げつける、重りでも入ってたのか遠くまで飛んでった。
「.......今度婚活でもしよ」
俺は二度寝を始めた。
とある町の街角、紙が落ちていた。
「なんだこれ」
一人の男が拾い上げる。そこにはこう書かれていた。
【すみません、驚きましたか?手紙の召喚魔法を学習したので使ってみようと思って♡、あなたに助けられた時から伝えたいことがありました。愛が成就するといわれてる、ロべ教会で会いましょう。 聖女ミナ】
ギルドからラブレターが届いたんだが!? くろーろ( ˘•ω•˘ ).。oஇ @hightech81109
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