僕にだけ優しい幼馴染は異世界に行っても僕にだけ優しいようです。(G’sこえけん)

御峰。

第1話 転移

※全てヒロインの会話文となっております。その他文章は全くありません。






 エイジ! エイジ! 起きなさいってば! もうー! また遅刻しちゃうわよ?


 なになに…………また夜遅くまでゲームしてたの?


 着替えるから出て行きなさって? …………私に見られて恥ずかしいモノでも――――あー分かったわよ! 下で待ってるからね? 早くしてね?






 茉莉まりさん! エイジったらまた夜遅くまでゲームしてたみたいですよ! また遅刻して先生に怒られちゃうじゃないですか~。


 まりさんがそういうんなら仕方ないんですけど……。


 あ~やっと起きたわね。ご飯準備終わってるから早く食べてね! え? 私? もう食べて来たわよ? ――――――あ~! ち、違うの! ちゃんと食べて………………うん。私も頂きます。


 まりさんの料理は本当に美味しいわ~! ご馳走様でした。


 エイジ、そろそろ学校に行くわよ~。




 ◇




 おはようございます。清野せいのさん。…………はい。今日も電車移動は大変ですね。


 …………何よ。いいじゃない。他の人なんて私にはどうでもいいのだから、他人行儀でもいいじゃない。私は…………。


 あれ? どうしたんだろう? 電車が急に止まった? エイジ、どこかケガとかしてない? え? 私? 私は全くケガ――――う、うん。ありがとう。そうね。取り敢えず安全を確認して…………ひとまず外に出ようか。


 あ、ありがとう。エイジってこういうところ……優しんだね。いつも。


 あれ? エイジ? 周りが変じゃない? うちってこんな田舎な場所ってあったかしら? それにしても建物一つ見てないし…………あれ? 電車は!? 他の人達もいない? 周りが変な木ばかりでおかしいよ! それにここ…………え? 静かにしてって? う、うん。


 ご、ごめんなさい。うろたえてしまったわ…………うん。私はもう大丈夫。エイジのおかげで冷静になれたわ。


 それにしてもここってどこかしら。なんだか、エイジがいつもやってるゲームみたいじゃない? 木とか大きいし、変な植物があるし…………『ステータスオープン』? あ! 私にも見えたよ!


 私はレベル1で、加護の部分に『勇者』って書いてるよ? エイジは? えっと…………『生活魔法使い』? なにそれ? 私は大当たり? でもエイジはハズレなの? そ、そうか…………でも大丈夫! 私が強くなってエイジを守るから!


 それにしてもこんな場所で何をしたらいいのかな…………人もいないし、えっと、『アイテムボックス』? あ! 中に剣が入ってたよ! エイジって本当に凄い!


 ほら! 本物の剣みたいだよ? えっ? ええええ!? これって本物の剣なの!? それにしてもあまり重くはないわね…………ん? そうだね。部活…………思い出すかも。


 足はもう大丈夫。でも部活は二度と出来なくなっちゃったね…………あの時、助けてくれてありがとうね? エイジ。えへへ~私、凄く嬉しかったんだから。


 う~ん。軽く回せるし、これなら魔物とやらも倒せるかも――――――と言ってる傍で魔物か。


 えっと、ゴブリンと言って、女性を襲う……? ユルセナイ。イマスグ断罪スル。


 えいっ! やっ! 身体が想像より軽いわ? これもエイジが言っていた『ステータス』のおかげかしら?

 エイジ~! 魔物倒し――――――エイジぃいいいい! こ、このっ!


 はあはあ…………え、エイジ! ねえ、エイジ! 大丈夫!? なんで私なんか庇うのよ! もう! こんなに血がいっぱい…………やだ…………お願い! エイジ! 私を置いていかないで! 回復魔法? うん! 使ってみる!


 …………これだ! 回復魔法『ヒーリング』! あ~! 傷がふさがっていく! よかった…………。


 かすり傷? でも血がいっぱい出てるでしょう!? ちゃんと治さないと異世界なんだから、変な病原菌が入るかも知れないの! あ、ご、ごめんなさい。もう油断しないでちゃんとトドメを刺すようにするね。ありがとう。


 ん? この光って? 生活魔法の『クリーン』? これがあれば風呂に入らなくても汚れを消せるから返り血も全部消える……? 本当だ! 全部消えたよ! ありがとう! エイジ! えへへ~。


 あら? 誰か来たみたい。助けてくれるかも! 会ってみましょう――――――うん。私は大丈夫。もしもの時は私がエイジを守るんだから。



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