第15話 便利な家

 結論から言うと召喚はできなかった。


 三従神を展開しようとするとビリビリと電気が走り手がしびれ、ただ男が叫んだだけという醜態が生まれただけだった。その時は驚いてカードを落としてしまったが、傷どころか汚れ1つ付かなかった。


 展開できたトリックルームを何かに使えないかと思い家の中に入ってみた。


 広い。


 日本の安アパートで暮らしていた白蓮には、部屋がいくつもある一戸建ては広く感じた。


「あの小さな家の中がこんな…トリックってそういう?」


 困惑しつつも家の中を見ると家具が1つも見当たらない。窓や二階に続く階段はあるが、テーブルや椅子等の家具はない。


 キッチンに蛇口が付いていたので、もしやと捻ってみれば綺麗な水が出た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る