第12話 パックを開け!

 閉じていた目を開いた。


 穴の開いたズボンのポケットから、コンビニで買ったカードパックを取り出す。パッケージにはあの日と同じ、3体の僕が描かれている。


「主人公が操る最強の神属性モンスター…1パック10枚入りだから、関連カードは出るだろうけど…って、そもそも何でポケットに?」


 スラムに住んでから、カードパックなど見覚えが無かった。つまり記憶を取り戻した瞬間にカードパックが突然発生したという事だ。


「腕輪がないんじゃ使えないが…」

 

 白蓮が目覚めた時、父から貰った腕輪とカードケースが無くなっていた。スラムの住民に盗まれでもしたのだろう。


 父は見つかっていないし、手持ちのカードは虎の子の食料。


 あのパックを開いた。

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