第6話 ゴミ山の捕食者

 白蓮が慌ててガラクタの隙間に身を隠すと、ズルリズルリと地面を張って進む1体のモンスターが目の前を横切る。


「スライム…」


 空堀のメンテナンス費用が限界まで削られた結果、都市内で使われている廃棄物処理用のスライムがゴミ山に解き放たれた。


 その名も『廃棄スライム』である。


 このスライムの正体は、寿命間近で処分を待つだけの廃棄物だ。スライムは共食いをしないので、人の手で処分していたが、今ではスラムの住人を捕食する厄介な掃除人だ。


「行ったか…俺に討伐できるだけの力があればな」


 いくらスライムが廃棄品だと言っても、モンスターである事には変わりがない。難敵だが倒せさいすれば、このスラムでは数少ない真っ当な稼ぎ方だ。

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