39話 キング様
39話 キング様
宿泊地点を経由してまた爆発トロッコに乗って、無事ワガクニの王都にたどり着いた一行。
どうやら爆発トロッコの影響で体調は最悪のようだ。
「どうする?さっそく王城に行くか?おえっぷ」
聖一がみんなに問いかける。
「そうね。遅いとか言われたら怖いし行くのがいいかもしれないわね。おえっぷ」
マホが答える。
「本当は休みたいでありますです。おえっぷ」
シャマが弱音を吐く。
「休みたいのはやまやまじゃが、行った方がいいのですじゃ!行きましょうなのじゃ!シャキーン!!」
ジャイがスッキリした顔で答える。
「こっちですじゃ!」
(なんでこのおじさんは元気なんだよ。)
王様の『キング様』に呼ばれているので休まず王城へ向かう。
王城へ向かう途中丘のようになっていて王都が見渡せる場所がある。
「通り道ですし見晴らしのいい丘によるのですじゃ!」
(いや元気だなー。)
「ん?おお!全景が見えるな!王都ってすごいでかいなー!円形になってるのか!」
「王都の回りは城壁があってその外には堀に水が流れているので防御もかなり固いんですじゃ!」
興奮する聖一にジャイが説明する。
(この街、直径10kmくらいはあるかなー!感動だ。)
街を見渡した後、丘を降りて城へ向かう。
まさに城!といった所で巨大な要塞である。
(でかいな。キングドラゴン並みにでかいな。…ん、そうか。だから城級なのか。)
城の門兵に王様からの手紙を見せて城の中に入る。
豪華な応接間に通されて待つこと10分。
鏡が置いてあったので急いで服の乱れや髪の乱れを整える。
(爆発トロッコから降りてそのまま来たからな。みんな髪も服もえらいことになってたな。鏡があって良かった。)
「こちらへどうぞ。」
綺麗な白銀の鎧を着た金髪のイケメン騎士がやっきて案内される。
大きな扉があってそこが開くと謁見の間になっている。
扉のまっすぐ先には階段があってその上に大きな椅子があり王様らしき人が座っている。
玉座までの道のレッドカーペットの脇にはプレートアーマーを着た騎士がズラ~と並んでいる。
「良く来たな!!こっちこーい!!!!」
玉座に座っていた王様らしき人が大声でこちらに叫ぶ。
「ささ、こちらへ。」
イケメン金髪騎士が玉座の前まで案内してくれる。
「良く来た!我はこのワガクニの王でキングであーる!!まずはビッグバンベヒーモス討伐ご苦労であった。ガハハハハ!!!!!」
王冠を被っていて男らしい顔立ち、体はムキムキでタンクトップみたいな服にマント、下はブーメランパンツだ。
(ブ、ブーメランパンツ?!)
4人とも膝をついて頭を下げる。
「ありがたき幸せ!」
「冒険者というのに、意外と礼儀正しいのう。ガハハハハ!!!!」
(はー。どうやら無礼ではないようだ。事前にジャイに挨拶を聞いておいて良かった。)
「気に入った!さっそくだが冒険者聖一よ!そなたには『英雄』の称号と大量の金貨をあたえる!」
まわりがざわつく。
(大量の金貨やったー!…え?なに?えいゆう?)
「え、英雄?」
「そうじゃ英雄じゃ!!ガハハハハ!!!!」
よくわからず王様から英雄という称号をもらう。
「まあわかりやすくいうとな、王様の次に偉い!この称号を持つものは王妃や王子や王女とか公爵とか並に偉い!ゆえにどこに行っても入国税はかからんし国賓の扱いをうけるぞぅ!どの場所でも自由に振る舞う権利を授けよう!!!ガハハハハ!!!!!!!!」
(なんかよくわかんないけどすごい称号もらったな。いろんな土地に行く時に入国税がなかったり国賓として扱ってもらえたりするらしい。)
「ありがたき幸せ!!」
膝をついて再び礼をする。
「そして大商人ジャイと山級殺し冒険者の聖一、そしてその仲間に正式に依頼する。」
(依頼??!!)
「ビッグバンベヒーモスの素材を使った近接武器、矢じりなど300人分依頼したい!!」
(ほうほう。え?300人分!??)
「さ、300人分でございますか?」
聖一が驚いて聞き返す。
「そうだ。ガハハハハ!!実はビッグバンベヒーモスの件でとても不甲斐なくてな。冒険者聖一、お主がいなければ国は守れなかった。本当にありがとう。」
キング様が頭を下げる。重臣たちは王様が頭を下げたので慌てている。
「だから冒険者聖一よ。武器を頼む。」
(いい王様だ。)
「わかりました!そういうことならおひきうけします!!」
依頼を引き受けた聖一。
まずはスミフに相談するために、爆発トロッコに乗って帰る聖一達。
ワガマチに戻ってくる。
家に帰る途中にギルマに会う。
「まじ卍だからプリーズ!ビッグバンベヒーモスの素材で100人分おねがい!」
なんとギルマにも武器を大量注文される。
(ギルマからも注文された。…スミフすまん!!)
王様と冒険者ギルドから武器を大量に注文されたことをスミフにつたえる。
「え?!そうなの?!合計400だよね?ビッグバンベヒーモスの素材でだよね?!ど、どうしよ。ぼく1人なら1年はかかるよ。」
慌てるスミフ。
するとそこへ誰かが家の扉をノックする。
(ん?こんな忙しい時にいったい誰だろう。)
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