28話 ビッグバンベヒーモス①

28話 ビッグバンベヒーモス①



とうとう決戦当日だ。


仮眠を終えて朝ごはんを取り、準備体操をしている聖一。


(よし!気合い十分だ。いつでも来い。)


すると上空にいるハネビが大声を出す。


「黒い影と砂煙が微かに見えるよーん!!!」


上空から見張っていたハネビが大声をあげる。


まだ距離があるだろう。


しかし目視できるという事は戦いまであと1時間もないはずだ。



「よし皆!!配置に着くんだ!!!」



各々移動して配置に着いていく。皆からの緊張感が伝わる。


(とうとう決戦だ。きっと長い戦いになるだろう。一回上から見ておこう。)




「おーいハネビー!すまん俺にも様子見させてくれー!!」


「わかったよーん。」


ハネビに抱えてもらい上空に行って様子を見る。


(あれか?でかいな。)


砂煙と共に黒い影がこちらに向かって歩いている。


「は、迫力すげえな。あれが…ビッグバンベヒーモスか。この距離だと山にしか見えないな」



遠いところからだと山にしか見えなかったが、距離が近づくにつれてようやく、生き物である、モンスターである、と認識できた。



700m近くはあるであろう黒茶色でヌメヌメしているサンショウウオのような化物だ。



(でけぇな。高尾山よりもちょっとでかいか。体回りが高尾山くらいで頭の部分がスカイツリーよりでかいかな。)



「でかいなー。」


「でかいよーん。」


聖一とハネビは、あまりの迫力に見とれている。


(迫力があって恐ろしくて禍々しい。でもなんだか圧倒的な強さにカリスマを感じる。不思議な感情だ。)



ビッグバンベヒーモスであると認識したので各位迎撃体制に移行していく。



(上からだとみんなの姿がよく見える。各々準備は万端だな。)


近くなってきてビッグバンベヒーモスの全貌がよりハッキリと見えてくる。


(山椒魚のような体に足が4本、手が四本か。足が四本あるのが厄介だな。手が自由に使えるってことだろう。)




足が四本あってそこから体を大きく反るような形で体を起こしている。


仰け反って起こしている体には手が四本付いている。


「怒ってる時の蛇みたいだよーん。」


「たしかに!蛇が鎌首をもたげている状態に近いな!あ、あと筋トレしてる人間もあんな体勢だわ。」



(ずっと筋トレの背筋してる最中みたいな体勢なんだな。なんか辛そう~。ていうか寝そべったら700メートルどころか1キロ越えるだろあれ。)




「順調に来て欲しいルートに来てくれてるな。あと5分もしたら戦闘開始だろうね。よし、ハネビ!おろしてくれ!ハネビも作戦に移ってくれ!」


「わかったよーん。とうとう山級のモンスター、聖一がんばろうだよーん!」


「おう!」








ビッグバンベヒーモスに滅ぼされた国や街は数えきれない。


いつか倒さなければ世界をまるごと覆いつくしてこの世界ごと食べてしまうと言われている。







覚悟を決める聖一。


(よし!)


「みんなー!!!!覚悟はいいかぁー!!!!!」


「おおおぉぉぉーー!!!!!」



「くるぞーー!!!!!!」






岩山と岩山の間の道を進んでくるビッグバンベヒーモス。






足音が凄まじい。







(近いとこんなに迫力があるのかよ!!でも!それでも!それでもやるしかないんだぁー!!!)


「来いぃ!!!」


岩山と岩山の間の道を進むと防壁がある。



防壁の高さは100m以上はある。



それでもビッグバンベヒーモスにしてみればかなり低い。




ビッグバンベヒーモスは、かったるそうに100m近くある防壁を首を低くして鼻先で体当たりしようとする。



(来い!勝負だ!絶対に勝つのは俺たちだ!)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る