(連載版)巨大生物ばかりの異世界をパルクールと足場スキルで無双する。

27話 決戦前夜

27話　決戦前夜

とうとう、ビッグバンベヒーモスとの決戦前日である。

「完成ー！！」

完成という声が各所から聞こえてくる。

すべての準備が昼過ぎに終わる。

「よし全て完成だな。間に合ったな！！小休憩のあと作戦会議だ！！」

各リーダーを集めて作戦会議をする。

聖一はマホ、シャマ、冒険者ギルドのギルマと事前に話し合っていた作戦を皆に伝える。

「よし皆！」

(皆しっかり聞く気だ。姿勢が凄く良い。)

「まずは第一防壁で食い止める。そして…」

何故か会議を聞きに来ていたムスメは長い話に飽きたのか、寝てしまったようだ。

「むにゃむにゃ。」

しばらくして聖一は作戦の説明を終えた。

「と、いうわけで！この作戦で頼む！」

防壁と罠の使い方や皆の出所の確認をする。

いよいよ決戦は明日。

皆、鼻息が荒い。

(よし作戦は伝えた。あとは明日だ。)

「会議は以上だ！夕方からは防壁と罠の完成、そして勝利の前祝いをかねて宴にしよう。」

「よし！」「のむぞー！」「うひょー！」「喉乾いたー！」

(命がけの作戦になるだろう。…この宴が最後のひとときになるかもしれない。)

事前にジャイに酒や食べ物を用意してもらっていた。

「よーし皆かんぱーい！！」

(皆楽しそうだ。今は明日の事は全て忘れて楽しもう！！)

酒は蜂蜜酒いわゆるミード。そしてホップが入っていないビールいわゆるエールが用意されている。

そして高級品のワインもあるようだ。。

(ジャイのやつ、すげーいっぱい仕入れてくれてるな。)

あとは米を買ったついで買ってブラックホールに入れていた日本酒もある。

食べ物はジャイが仕入れたクラッカーやチーズ。

他に、倒してブラックホールの中に入れていた魔物の肉を取り出しBBQにする。

(ドラゴンのステーキは皆スケベになっちゃうからな。ドラゴンのステーキ以外の魔物BBQだ。)

皆お酒とご飯を楽しんでいる。

チチアントとママエルが飲み比べ対決をしている。

ジャイが貴重な回復薬をウイスキーで割って飲もうとしてムスメに怒られている。

ギルマが冒険者と大工になぜか胴上げされている。

(ふふ。楽しいな。)

良い宴になって良かったと聖一は感慨深い気持ちになっている。

大きな笑い声の渦が辺りを包んでいる。

夕方から日も落ちて辺りが暗くなってきた。

聖一のところへ、ハイエルとアントとハネビとスミフが近づいていく。

「皆どうしたんだ。」

「あたい怖い。」

「わたくしも怖いです。」

「怖いよーん。」

「僕も怖い。」

(皆怖いのか。そりゃそうだ。負ければ終わりだ。)

「…え、ちょ。」

4人が一斉に聖一を抱き締める。

「…。」

聖一は驚いたが小さくうなずき、静かに4人を抱き締め返す。

静寂が包む

そして聖一の煩悩が浮かんでくる。

(む、胸が当たる！)

「ま、まあなんだ。皆、明日は頑張ろうな。」

皆を引き剥がして見送ったあと、股間を押さえる聖一。

そしてシャマが聖一のもとにやってくる。

「あの…聖一さん。」

(最初は聖一様って呼んでたのにな。なんだか距離が近くなって嬉しい。)

「この戦いが終わったら…その…私の里に来てほしいです。そして……そのこだ、こだ、子種……。なんでもないでありますです。」

「…。」

「今はとにかく聖一さん。私の鼓動を感じてください…」

シャマは聖一の顔を持って、自分の胸に埋める。

(おぉぉ。)

静寂が包む。

聖一はシャマを引き剥がして見送ったあと、股間を押さえる。

そして宴が終わり自室に戻る聖一。

真っ暗な部屋。

適当に服を脱ぎ捨てパンツ一丁で横になる聖一。

すると後ろから抱き締められる。

「ぎゃ！」

「ぎゃ！とはなによ！」

「マホ？！」

「今日だけ。今日だけはこのまま眠らせて。」

「……ああ。」

(えぇー！無理無理！このまま寝るの？！！マホのネグリジェ越しにむ、む、胸が！胸が直の背中に当たってるんだけど！！)

マホの手が震えていることに気づく聖一。優しく手を握る。

(そりゃ怖いよな。……あー、でも興奮はするよね。寝れねぇなこりゃ。)

チュンチュンと小鳥の鳴き声が聞こえる。

夜が明けて決戦当日だ。

「おはよう聖一、おかげでよく眠れたわ！ん？なんだか眠そうね。」

「…おはよう。俺は一睡もできなかった。とりあえず軽くでいいから回復の光をかけてくれ。グスン。」

寝不足の聖一は回復の光をかけてもらい仮眠を取ることにする。

(あぁー胸が当たってドキドキして眠れなかったわ。まあでも、2時間仮眠取れたし回復魔法かけてもらったからもう大丈夫！！さあ決戦当日だ！！ぜってぇー倒すぞ。)