第15話 ランクアップとお金持ち

15話 ランクアップとお金持ち



「解体作業はもう手伝わなくいい。だから昼過ぎに来て。」とギルドに言われたのでゆっくり泥のように眠る。


気付いた時には既に昼であったため急いで街の外へ向かう。


ギルマ「終わったわよぉー。まじ卍ぃ!いやほい!」


今日もギルマはムキムキでクネクネだ。


「すべての解体が終わりました。売るものとご自分でお持ちになるものをどうするか教えてください。あと、売却金額が偉いことになりそうなので3日ほどお待ちください。でも出来れば希少な素材はなるべくこちらに売ってほしいですぅ。お金を王都から送ってもらって、売ってくださった素材を各ギルドや王都の技術者に連絡して。あーもうここからが大変ですぅ。」


かなり心の声が漏れ出ているが、巨乳の受付嬢が聖一に説明する。


「えっと、素材はどうしようかな。なあマホどうしたらいいかな?」


「そうね。装備なんかに使えそうなものの素材は~……うーん。私もなんとなくわかるけどジャイに相談しましょう。」


1回帰ってジャイを連れてくる間にギルドの人達も撤収するらしい。

そこで冒険者ギルドの裏のスペースに再集合することにした。


「お待たせ。」


「聖一さん、まずは~、ランクアップおめでとうございますぅぅ。人類前人未到の丘級殺しですぅぅ。すごすぎるですぅぅ。どうぞ、いつもチラチラ見ている谷間をしっかり見てもいいですよぉぉ。」


(え?気付かれてた!いやそうじゃなだろ。人類前人未到か。文字通り、俺がビッグバンベヒーモスなんとかしないとだな。まあ個人が出来る事なんて知れてるからな、俺がなんとかしなくても国がなんとかするかもだし、冒険者やってなくて在野にもっと強い人いるかもだけど。でもやっぱり、俺が止めないといけないのは事実だな。)


「それにしてもランクアップか。そういえばランクアップって何か意味あるの?」


「あるに決まってるわよ。……なんのためのランク制度よ。」


マホに呆れられる聖一。


「はい!ランクアップしていただくと魔物の素材の査定に数%上乗せ、また他の街や王都での宿泊施設や商店、施設の優先利用。そして一般の平民の方に貸していない所への自由。そして城級殺し以上は国から爵位が与えられます。」


「へー!便利になるなら言うことないなぁー。じゃあとりあえず街中を威張り散らして練り歩いてこようかな。」


「やめときなさい!」

「恥ずかしい真似はしないでくださいです!」


「お、おう。」


(ランクアップの照れ隠しで冗談を言ったら、マホとシャマに本気にされてしまった。)


「しかも爵位がもらえるんだなー。すごいなー。爵位かー。え?え?ちょっと待って。ちょっと待って。爵位?き、き、貴族?やだやだやだやだ!めんどくさそー!!やだやだやだやだ!」


「あんたそのセリフは、国の職員のいる前ではやめなさいよ。」


マホが、駄々をこねる聖一を注意する。


「まあ、名誉貴族なのでやることは特にありません。だから心配いりませんよぉぉ。」


受付嬢によると特に責任は無いから安心しろとのこと。


(ふーん。まあ、ならいいか。嫌だけど。)



冒険者ランクが上がる聖一。


名実共に世界最高峰。現存する冒険者の最高ランク丘級狩りとなる。


「あと聖一さん、素材の話の前にキングドラゴンのステーキの事でお話がありますぅぅ。」


なにやら受付嬢によると、昨日食べて皆ムラムラし始めたから、おかしいとの事で魔道具で鑑定。


鑑定したところ、栄養がありすぎて、滋養強壮通り越して夜の方が活発になってしまうらしい。


(え????!!まじ?!!つまり……ドラゴンステーキには媚薬効果がある?)


「でも惚れ薬の効果はありませんので、あくまで普段から良いと思ってる相手とか、タイプだな。とか思ってる相手に興奮するような効果ですぅぅ。」


(え?じゃあ、あの夜マホも俺も興奮しておかしくなってたのはキングドラゴンのステーキを食べたからか!!)


考え込む聖一


(でも惚れ薬の効果は無いってことはマホは俺の事がもしかして…)


聖一がマホの方を見ると顔が真っ赤になっている。


聖一が見ていることに気付いたマホは呪文の詠唱をする。


「ゼロ距離で食らったら10分は目を開けられないわよ。ライトニングゥゥ!!」


「ぎゃああ!目がぁぁ!!!」


マホのライトニングをゼロ距離で食らって、のたうちまわる聖一。


「キングドラゴンの肉を10キロ分確保してくださいです。これを聖一さんに食べさせて寝室に行けば……フッフッフ。なのです。」


ドタバタしている二人を尻目にキングドラゴンの肉を確保するシャマ。


しばらくして聖一は回復したようだ。


「ぐ、まだ少しチカチカする。」


聖一の事が気の毒に思ったのか、受付嬢は苦笑いをしている。


「だ、大丈夫ですか?なのでキングドラゴンの肉は1キロ金貨1枚出します。貴族は跡取りが少ない家もあるので夜の問題は切実。だからめちゃめちゃ欲しがると思います。」


キングドラゴンの肉は破格で売れるようだ。


(まだ目がまぶしい。にしても金貨1枚ってたしか10万円くらいの価値だったはず。)


「1キロ金貨1枚?だってこいつ何キロあるのよ。す、す、すごい額ね。」


1キロ金貨1枚。現代の価値にすると約10万円。


あまりの大金に立ちくらみするマホ。




そしてジャイに聞きながら使えそうな素材をピックアップしていく。すぐ使えそうなものや加工出来そうなもの等を聞いているが……「多分使えそうですじゃ。」……「おそらく使えますじゃ」等の言葉が増えていく。


(これ結局キングドラゴンもジャンボミドリガメも前人未到の魔物のだからな。)


聖一は念のための備えという意味も込めて、使えるかわからなくても素材を全種類ちょっとずつ残す事にする。


「あとあと売らなきゃ良かったと後悔するのも嫌だし、全種類の素材もらってもいい?1/3おれ、ギルドに2/3渡す感じでどうかな?!」


「かしこまりました。もちろん問題ありません。すごく良い方法だと思いますぅ。」


(よし!商談成立だ!)


受付嬢に伝えるとそれで良いと思うと言ってもらえた。


(むふふ。これでお金も大量に手に入り、新装備ゲットしていけるぞ備えておくこともできた。完璧だ。)


「ジャイありがとう。」


「良いってことですじゃ!」



聖一とジャイが喋っていたら、受付嬢が二人の間に入り、聖一に向かって上目遣いで話し出す。


「聖一さん。では査定完了いたしましたので、金額を言いますぅ。」


「お、おう。頼む。」


一同が生唾をゴクリと飲む。


「金貨」


「…き…金貨…」


「2万枚!」


「2万枚ぃ??!!」


金額を聞いて一同騒然としている。



(ちょっと待ってよ日本円で約20億円はあるってことじゃんか。ヤバイじゃん。都内にマンション立てれるじゃんか。しかも一括で。)



あまりの額にアワアワしている。


「せ、聖一、飴玉買ってよね!」


(マホが額が大きすぎて、子供みたいなこといってるぞ。)


「でもこれなら決戦が原に簡易の砦を立てることも可能ですじゃ。」


「よし!良かった。お金はあればあったで困ることは無いしな。」


解体も終わり、査定も終わったので一度家に帰り、そのあと装備を鍛冶屋に頼んだり、必要なものを買いに行くことにする。


(よし!次は新しい装備を手に入れるぞ)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る