魔獣と武器
ガサゴソという音が一瞬静かになった二人の耳に入る。
ホワイトが向いた先には少し背の高い草が生い茂っていた。
「魔獣には君の世界で言うところの動物と同じ形のものが多い。この世界でも君の世界と同じ進化をしたらしいな。そして平原や草原には小動物系の魔物が多い。その中でも特に多いのは繁殖力の高い…」
リボンの言葉を遮るように小鼠型の齧歯類魔獣が長い前刃を剥き、ホワイトに襲いかかる。
危険を知らないホワイトは飛びかかる魔獣の攻撃をよけもせずに受ける。
…いや、魔獣の刃はホワイトに当たらなかった。
「が、弱い鼠の魔物だ。」
当たる前にリボンがリボンを伸ばして魔獣を叩き落す。
かなりいい音が鳴り、魔獣は草原に転がった。
「左手の人差し指を引き抜くように右手を動かしてみろ。」
「…こう?っわあ!」
言われた通りにホワイトは動くと左手の人差し指がぶちぶちっとちぎれながらとれることはなく、最初に持っていた糸剣が出てきた。
「君の武器だ。名前は君がつけてあげなさい。」
起き上がり、再度突進する魔獣を叩き落としながらリボンが言う。
リボンに任せても大丈夫そうだ。
ホワイトは少し困惑しながらも糸剣をよくよく見てみた。
全体的に真っ黒い剣は塚の部分にルビーのような宝石が埋まっており、握りの部分には精巧な羽の生えた人型の何かの絵が彫ってある。
ゲリラの少年たちが話してくれた神話の数々を思い出したホワイトは天使にも悪魔にもなれなかった半端者の神話を思い出した。
その半端者の名前は
「
グレイはそれを聞くと喜びの光を放ち、宝石が妖しい光を放った。
柄にいつの間にか
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