ゲーム6:お姫様救出バトル②
大平家
参加者 弘之・範子・弘人
弘之『大山と言えば、山の近くにある高校から少し歩くと見えてくる山だ。標高五百メートルほど』
弘人『ふんふん』
弘之『大山って言ってるのにこれじゃ小山か中山だろ! 思わねぇか』
弘人『確かになぁ。それはそうだ。ッハッハ』
弘之『ところで、なんで大山に行くんだ?』
弘人『ちょっとね、あの友達と遊ぶから』
弘之『ゲームとかばっかのお前が山で遊ぶとか珍しいなぁ……ホントか。何かあるんじゃないのか』
弘人『いいじゃん。別に。えっとさ、コーチにお前体がなまってるって言われてさ……』
弘之『そうか。じゃあたくさん体動かしてこい。あれか? あそこの山なんかアドベンチャーズって言うところがあるらしいけど。あそこに行くんじゃないのか』
弘人『アドベンチャーズって結局なんなの』
弘之『なんか自然を使ったもんがある山全体を使ったアスレチックって感じのもんらしい』
弘之『https://oyamaasuretikku.jp』
弘之『っていう。まあまた今度見てみろよ』
弘人『ほーい』
誰が早織を自分のものにできるか競うグループ
参加者 健吾・勝太・弘人・いおりん♪・かず
伊織『じゃ、もうここでルール説明済ませていい?』
かず『どーぞ』
伊織『まず最初に、このゲームをやる意味を言っておきましょうか。まあさ、性格とかどれだけ愛してるかも大事だけどさ、ほら、やっぱり相手のできることとかも気になるじゃん。なんもできないダメ女とか正直付き合う気しないでしょ? だから、まずは運動面を見てみようかなぁと。そゆこと』
かず『なるへそ』
伊織『じゃ、ご説明。ズバリ、お姫様救出バトルって言うのは、アドベンチャーズの山頂の木に縛り付けられてるお姫様を誰が一番早く、美しく、堅実に救出することができるかってのを競うゲーム。分かる?』
勝太『はーい』
伊織『そこにはね、色んな障害物があるの。木とかそういうの。時々鬼が出るとか言われるらしいけど。ハハハ』
健吾『んなわけないでしょうに』
伊織『まあ、私が決めたところからスタートして、好きなコースで山を登っていくってわけ。ちゃんとした登山道でもいいし、思い切って登山道を外れても良い。アドベンチャーズの敷地内ならね』
健吾『コースから外れても良いんすか?』
勝太『まああそこそういうアドベンチャーだからさ』
伊織『そゆこと』
伊織『一応、ちゃんとGPS付けてもらうから。ギブアップもアリ。さすがにさ、ちょっと山の中で死なれたら私の立場が危うくなるからね。なんちゃって』
かず『ま、さすがに危ないっスからね。山ん中は何があるか分かんないし』
伊織『ついでに言うと、付いてくるライバルとかを乱闘してボコして蹴落とすって言うのもアリね。殺さない程度にどうぞ』
明日は休日かぁ。
学校から帰り、早織はベットに飛び込む。
久々の休み。せっかくなら今日も休みで四連休で良いのに。
そんなことを思いながら、どちらにしろ何もないことを思いだした。
「何か面白いことないのかなぁ」
最近はあまり運動せずに、体がなまっている気がする。少し体を動かしたい気もするが、めんどくさいなぁというのもホンネだ。
と、部屋の中に意気揚々と姉が入ってきた。
「ちょっと、ノックぐらいしてよ。こっちも思春期なんだし」
「開けてたやつが悪いでしょっ」
姉はノリがいい。この小悪魔でイタズラな性格と可愛さからよくモテる。本人は確か、バスケ部の五十嵐一馬先輩が好きだったはずだ。
「ちょっとさ、明日さ、何もない?」
「ないけど」
「あのさぁ、大山、行かない?」
頬を掻きながら彼女は言う。
頬を掻く時、姉は大体なにかとんでもないことを考えている。姉妹でも、何を考えているのかさっぱり分からないのが鈴川伊織という人間なのだ。
「なんで大山なの。急に」
「ちょっとさ、友達が行くから付き合わないかなって思って」
黒目が右上を見る。
「嘘ついてるでしょ。絶対違うじゃん。黒目が斜め上見てる」
「バレたか。ホントは私が気分で行きたいだけ」
必至に眼球の動きを抑えている姉。絶対これも違うな、と思った。何かある、これは。その何かが早織には分からないのだが。
「良いけど、別に暇だし。けどさ、誰か誘っていい?」
「良いよ! ありがと」
姉は目の色を変えて喜び、私の手をギュッと握る。そして、嬉々とした表情で、彼女は自室へと走っていくのだった。
“三年一組すみよし先生”
参加者 早織・岡村・ミカ・咲来・織子・ひめ・ルカ・moe
早織『あのさ、姉ちゃんが大山に登ろうって行ってるのよ。誰か一緒に行く暇人を募集』
ミカ『私はいつでも暇人だよん』
moe『私も行けるわ』
岡村『行けるよー。夜は焼肉食べに行くから無理なんだけどさ』
咲来『ホントなら行けないんだけど、行けることになった。何があるかは聞かないで!』
ミカ『エー何で、気になるじゃん』
咲来『いいの』
織子『さては恋愛だな』
咲来『いいの』
ルカ『私も明日は行けるわー。何時に行けばいいの』
早織『また姉ちゃんに聞いておく』
早織『で、全員行けるの?』
早織『姫花は? 生きてる?』
moe『行けるって。今一緒に遊んでるんだけどさ、姫花スマホ忘れたらしくてさ。バカだよねー』
早織『じゃあ、久しぶりに全員集合じゃん! 中学以来じゃない? 楽しみー!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます