第46話 即答 × 悪魔王か百鬼夜行の長か

【地球】議論は続く。


『cr』

「どこの国もそんなこと賛同するわけないじゃない?」


『e-to』

「そうかな? まずは【新しく国】を作る。そこで【地球】の法律を整備する。通貨も独自通貨にして。その間、国家予算も稼がないといけないから、何か国として事業はしないとだけどね」


『a』

「それだけでどう【地球】を作るのよ?」


『e-to』

「全世界に【地球】に賛同した人をたくさん作るんだよ!」


『rino』

「そんなことをしても国は潰せないじゃないか。だいたい建国なんて不可能だよ。余った土地なんてないんだし」


『e-to』

「そうでもないんだよ。エジプトとスーダンの間に在るんだよ、ビル・タウィールっていう無主地が。そこなら建国できるよ」


『a』

「そんな土地が本当にあるの?」


『e-to』

「両国から重要な土地でないと思われてるからね。両国ともハラーイブ・トライアングルが自国領だって、境界線を主張しているから、ビル・タウィールの領有権は両国とも否認する形になっているんだ」


『rino』

「そんな土地があったとしてもなんにもならないじゃないか?」


『e-to』

「あとは島を作ればいいよ。そしてそこを占拠して埋め立てていくのさ」


『a』

「それも非現実的すぎるわ」


『e-to』

「そうでもないよ。技術的には十分発達しているから可能だよ。火山を噴火させるんだ。風船に針で穴を開ければ破裂するだろ? それと同じ理屈で噴火するよ。おすすめはウィーク島(アメリカ)と南鳥島(日本)のちょうど間ぐらいで、北側かなあ。じゃあ【新しい国】は散り散りの国になる。それを増やしていけば領土は増えるよ」


『rino』

「それができたとしても、他の国がなくなる理由にはならないよ」


『e-to』

「賛同者を集めて各国でデモをするんだ。で、各国に認めさせて経済特区を作ればいいよ。それが無理ならトップを暗殺して入れ替わるか、どこかの国の政治家を全員買収して【新しい国】に賛同させるとか。まあ手段は色々あると思うよ」



「で、既に3対1だから僕のAnswerが一番だね」



「結論は『今ある国を全て解体して【地球】という1つの国を作る』だね」


英人は、やっぱりこの感覚が最高だと思った。


ワンが静かに口を開いた。

「なら、行動に移そう!!」


「へ?」

英人から1音あがった声が漏れる。


「今の議論を行動に移そう。英人はやっぱり僕たちと一緒にいるべきだよ!!」

ドゥーエもワンの意見に賛同した。


「「私たちは英人のそばにずっといるわ!」」

クリスティーヌとアンナが固い決意を口にする。


「「私たちもよ!」」

サラとセレナはワンとドゥーエを見つめている。


「僕たちもだよ!」

タラータもそう言ったが、『ミイラタラータ』の表情はわからない。


アントニオはお金になるなら付き合うらしい。


ルーカスとリアムは俺たちは後方支援からだな。と2人で肩を組んだ。


『これは断れない流れのような……』


「英人、僕たちと一緒にいて、夢を現実にしていこうよ。お願い!!」

ワンが片足を立てて膝まずいた。


ドゥーエもワンの隣に移動して同じポーズをとる。


サラとセレナは、ワンとドゥーエの隣にしゃがんだ。


他のeightersのメンバー6人はワンとドゥーエの後ろに並んで同じポーズをした。


クリスティーヌとアンナは英人の両サイドにしゃがんだ。


一列目が、『ケモミミ剣士』『赤鬼』『狼男』『サキュバス』


二列目が、『ミイラ』『キョンシー』『ゴブリン』『妖狐』『ドラゴニュート』『ドワーフ』


三列目には人間2人。


『俺って今から悪魔王になるのか……』


『もしくは、百鬼夜行の長か……』


「わ、わかったよ。どこまで協力できるかはわからないけど、君たちの夢に協力するよ」


「本当に?」

ワンの目に涙が見える。


『え、そこまでなの? プレッシャーが……』


「う、うん。でも、1度日本に帰らせてよ。ちゃんと仕事も辞めないとだし、家の解約とかもしないといけないし」


『て、みんなに退職理由聞かれたらどうしたらいいんだよ……』


「どれくらい?」

ドゥーエが確認してくる。


「そうだね、最低2ヶ月くらいかな?」


「え、そんなに? なら、私たちも日本に行くわ!」

クリスティーヌがそう言いアンナも頷く。


「なら、私たちも一緒に行くわ。日本料理の勉強もしたかったし!」

サラとセレナも同行すると言い出した。


「え、いや、そんなに家は広くないし、申し訳ないけど、貯金もそんなにあるわけでは……」


「ホテルに泊まるわ。気にしないで使っていいわよね?」


「もちろんだよ」

サラが聞くとワンは即答した。


『即答とかすごいな』


「これからは、HIDETO KURI ×(かける) eightersの最高の組み合わせだね」

セイスがポテチ × コーラの組み合わせ動画を引用して冗談を言った。


ワンが何か閃いた。

「それだっ!」


「これから僕たちは、KURIの妄想を現実化させていく集団だ!」


「KURI × eighters! → creatorsクリエーターズ!」

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