第29話 卒業 × 驚くべき光景
【スペインでの最終日は4人で一夜をともにしたのだろうか?】
6人は、最大の謎に迫ることはできず、スペインを後にした。
その後も、韓国でプルコギを食べてキムチを買い漁ったり、日本ではハーフ会のメンバーと会ったり、コンカフェ体験してみたり。
何はともあれ、無事帰宅した。
今回も濃密な世界旅行だった。
『スペインが一番濃厚だったけどなっ!!!』
口にはしないが6人全員がそう思っていた。
アメリカに戻って一番にリアムとルーカスに山ほどのお土産を渡した。
この時点で登録者は2億5000人を超えた。
その後も、リンとエミリオは大学に通いながら、8人でコンスタントに動画をアップロードし続け、視聴者を魅了した。
そして、あっという間に2年が過ぎ、リンとエミリオは、無事大学を卒業を迎えた。
リンは両親に頼んで、一年前に6人の家の隣にもう一軒建物を建てた。
お金は、大学卒業後に返すことで了承を得た。
6人は絶対、サラとセレナを呼び寄せるつもりだろうと思っていた。
リンとエミリオは、サラとセレナのことだから、僕たちが「絶対来るな!」と言っても有言実行するだろう。
「僕たちの家に転がり込まれるのが一番困るっ!」 と思っていた。
まあもちろん、彼女たちは、当然のようにアメリカに来たし、なんなら、予想より早くきて、卒業式も強引にゲストとして参加した。
サラとセレナは、リアムとは相性が悪かった。
リアムは政治家の息子で、『女性はおしとやかであるべきだ』系のタイプなので、いつももっと大人しくできないのか。人前でいちゃついて。みたいな会話が繰り広げられていた。
ただ、リアムも彼女たちの料理の腕前には、感服しているため、「スペインに帰れ」とは一度も言わなかった。
ワンは悩んでいた時期だったので、その辺は全く関知できていなかった。
「悩み」とは、もちろん動画の内容についてだ。
8人で相談し、時にはリアムやルーカス、サラとセレナも案をくれる。
政治学や経済学も学び、「CG」を使ったり、知識と手段も得た。
正直に言うと、今でも視聴回数は安定しているし、かなりの金額を稼げている。
だが、ワンはだんだん自分の脳が凝り固まっていく感覚があり、提案力や発想も限界に近くマンネリ化しているような錯覚に近いものを感じていた。
リアムに相談したが、気のせいだよ。とあしらわれた。
ルーカスに相談した所、「う~ん」とうなった。
しばらく考え込んだ後にルーカスが提案した。
「父に一度確認しないとだけど、父の映画撮影現場の見学にでも行ってみるかい? 撮影の仕方とか、ストーリー構成とか何か刺激になるかもしれないよ。」
リンはその提案を受け入れた。
「そうだね、せっかくだから、みんな一緒にいけば、息抜きにもなるかもしれないしね。一度聞いてみてよ」
ルーカスは父と交渉して、見学の許可を取りつけてくれた。
……
今日が見学の日だ。
eightersはもちろんだが、サラとセレナも当然のように着いてきている。
リアムは、僕の興味の外だと言って来なかった。
ルーカスから、映画の内容の説明を受ける。
ジャンルはSF。
本の中から過去に人が生み出した
その空想生物と人間が戦い、平和を守る。
という内容だそうだ。
「凄い話だね」
リンが苦笑いしている。
「空想生物だと表現が難しそう」
エミリオも想像しながら言う。
「機械で作ったり、CGを駆使したりしてるよ。エミリオにはまたそっちも見せるね」
ルーカスは、楽しそうに話した。
「今日はリザードマンと、グレムリンが襲来する所を撮影するらしいよ」
「そんなの表現できるの?」
サラとセレナがごく当たり前の質問を投げ掛けて、しかめっ面をしている。
「じゃあ、人間からリザードマンとグレムリンが生まれるところを見学しよう。ここからは撮影禁止だし、口外も厳禁だよ」
緊張した空気を10人は感じた。
さあ、どうぞ。
暗幕を開けて、全員を招き入れた。
そこには驚くべき光景があった!
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