第13話 現実 × 地球に住む同じ人間

リンとエミリオは無事高校を卒業した。


結果、2人共2年飛び級できた。

そのため、16歳での卒業だ。


さあ、世界旅行へ出発だ。


18歳までは世界を回れる。


何人同じ境遇の人間を救えるのかはわからないが、リンの責任感は人一倍強かった。


エミリオもリンを助けていくと心に誓った。


「エミリオは行きたい国ってある?僕はエジプト、イタリア、日本は行ってみたい」


「イタリアは案内できるし、祖父母のところにも宿泊できるよ。僕は、フランス、スペイン、中国、韓国あたりかなあ」


「なら、中国は僕が案内して、祖父母のところに宿泊しよう」


だいたいのルートは決まった。


まずは、南アメリカ大陸を南下して、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン。

そこから、オーストラリア、南アフリカから北上して、エジプト。

あとは、ギリシャ、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン周辺。

インドに移動して、中国、韓国、日本だ。


普通なら16歳の未成年2人での世界一周など危険で、事件に巻き込まれたり、拐われたり死ぬことも考えられるだろう。


まあ、0%ではないのだがその点については安心感があった。


リンの父は船舶会社勤めのため、多くの国に支社がある。


そう、父が2人に追加条件を出していた。

それは誰か関係者がいる国しか行かないこと。


リンやエミリオの知り合いでもいいが、違う国にいるはずもない。


そのため、リンとエミリオがルートを決めたあと、リンの父は、各支社にお願いをして現地人の確保をした。


もちろん、毎日一緒にいるわけではなく、初日にその国でのルールを教えてもらい、少し名所を案内してもらう程度だ。

地図に行ってはだめな場所も記載してもらう。

あとは、朝と夜には必ず連絡をすること。



……



2人はすぐに同じ境遇の人間を救うと言う課題をあきらめた。


自分達のような境遇を受けたことがある人はいるだろうが、やっぱりとことん仲良くならないとその辺は話してはくれない。


当然のことだったが、リンもエミリオも行く先々で順応するので精一杯だった。


とにかく学ぼう。すぐに2人は頭を切り替えた。


だが、決定的にわかったことが1つあった。同じ人間なのに区別しすぎだ。


国と国で、ルールも食べるものも話す言葉も貧困の差も違いすぎる。


共通言語で、通貨も一緒で、みんな仲良くできないものか。これは、混血とかのレベルではない。すべての人間が対象になってしまう。


これが現実だ。


これだけは理解できた。


同じ地球に住んでいるのに、同じ人間なのに、環境が異なりすぎている。


ただ現地人はみんな優しかったのが救いだった。リンは本当に父に感謝した。


でもいつも困ることがあった。どこの国でも、何かお土産を買うように誘導される。


ピラミッドの模型だったり、サッカーのユニフォームだったり、有名な絵画の絵はがきだったり。


親が援助してくれている資金のため、なるべく断ったが、メキシコではソンブレロ、スペインではタラセア、イタリアでは仮面を買わされた。


こうして、彼らは異国を旅して一年半が経過し、今はリンの祖父母の家にいた。


リンは『やはり中国は落ち着く』と思っていた。


リンとエミリオは最終国である日本のことを話し出した。

「アニメの聖地があるみたいだよ」

「なんか凄そうだね行ってみようよ」


「この丸い食べ物がお好み焼きだってさ」

「色はあんまりよくないけど食べたいね」


実は2人とも少し日本語が話せた。


アメリカでも日本のアニメが有名で、2人ともアニメやマンガは結構見ていて日本語を勉強していた。


まだ残りは5か月ぐらいあるが、なんとか最終の日本までは行けそうだ。


「コスプレの凄いのも見てみたいな」


そんなことを話しながら、眠りに着くのだった。


……


ぼくたちは8年後、動画編集会社を作る。


さまざまな業種の仕事を請け負う。

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