16話 清音の過去

 黙り込んだ清音が俺に話し始める

 「私が、迷い人と旅するの初めてじゃない

  の。」

 「えっ。」

 「その人も私のこときれいだ、好きだって

  言ってくれたわ。」

俺には驚きの事実である

 「その人もつなのように私と一緒にいるっ

  て言ってくれたわ。」

 「その人はどうしたんだ。」

 「最初は私をかばってくれたんだけど、

  疲れてしまってのだと思うわ。」

 「・・・」

 「私から離れていったの。」

 「俺も同じだと思う。」

 「分からないわ。」

 「俺は変わらないよ。」

 「信じたいわ、つなのこと好きだもの、

  でも、あんなことはもう嫌なの。」

俺はそいつのことが許せそうにない

 「そいつは、何をしている。」

 「功を立てて官位を得たわ、後は知らな

  い。」

俺は清音から離れないと誓った。

 その後、俺たちは黙って寝た。

 翌朝、俺たちは

 屋台で朝食を食べ、よろず仕事斡旋所へ行く。

 清音は壁に貼られた紙を見ている。

 清音は俺に聞く

 「青鬼を狩ってみる。」

 「強いの。」

 「赤鬼ほどではないわ。」

 「分かった、いいよ。」

俺は了承する。

 清音は1枚の紙を取ると受付へ持ってゆく。

 彼女は依頼請負の手続きをする。

 よろず仕事斡旋所を出ると俺は清音に聞く

 「どんな依頼を受けたの。」

 「領主からの依頼で、村の1つに青鬼が

  3匹出て、村の娘をさらっていったそう

  よ。」

 「人がさらわれているのか、領主て何。」

 「領主は村をいくつか持っていて管理して

  いるの、村から税を取って、国に税を

  納めるのよ。」

 「今回は村が領主に申し出て、領主が依頼

  を出したんだね。」

 「そうよ。」

俺と清音は、旅に必要なものを買い足す。

 俺たちは、屋台で昼食を食べると再び旅に出る。

 俺は、暇を見つけては、刀に直接力を乗せる練習をする。

 清音は休憩を取りながら俺に剣術を教えてくれる。

 自然に俺たちの旅はゆっくりとしたものになる。

 夕方になり、寝場所を決めると陣を張り木の上で寝る。

 夜中、化け物が通ることはなかった。

 次の日もゆっくりと旅をする。

 俺は少し刀に直接力を乗せることができる。

 まだ、力は小さいので実戦に使えない。

 夕方になると、寝る場所を決め、陣を張り木の上で眠る。

 夜中、大牙が1匹陣の周りをうろつく。

 清音は飛び降りざま大牙の首をはねる。

 大牙は大型の犬に大きな牙が生えたような化け物だ。

 俺も木から降りる

 周りに気配が集まってきているのだ。

 大牙は10匹いる。

 そして、大牙は俺たちの周りを回り始める。

 1匹の大牙が飛び込んでくる。

 清音が横なぎに切り捨てる。

 さらに1匹襲ってくる。

 俺が刀を口に突き入れて殺す。

 すると残りの大牙は逃げ去っていく。

 清音が大牙の牙を短剣で切りながら言う

 「彼らは賢いわ。」

 「そうなんだ。」

 「かなわないとみて逃げたのよ。」

俺たちは大牙の牙を6本手に入れる。

 翌朝、清音は夜のうちにさばいておいた大牙の肉を焼き始める。

 味付けは塩だけである。

 肉には独特の臭みがあったが食べないわけにはいかない。

 味は食べれないことはない。

 濃い味付けならおいしく食べられただろう。

 朝食が終わるとゆっくりとした旅が始まる。

 大牙の群れは追ってきていないようだ。

 夕方になり、3日目の夜を迎える。

 寝場所を決めると陣を張り木の上で寝る。

 夜中、一つ目が8匹通りかかる。

 俺と清音は木から飛び降り、一つ目に切りかかる。

 清音は1匹目の首をはねると2匹目を袈裟切りにする。

 ようやく一つ目は反撃を始める。

 清音の顔めがけて手で突く、彼女はかわしながら横一閃する。

 さらに一つ目は飛び上がり清音に襲い掛かる。

 彼女は後ろに大きく飛ぶと一つ目の着地を狙って首をはねる。

 俺は、試しに刀に直接力を乗せる。

 そして、一つ目を上段から切る。

 2匹目を横一閃にする

 3匹目は突きを繰り出し抵抗するが刀身を力で伸ばして心臓を突く。

 俺は刀身を伸ばしたまま4匹目を袈裟切りにする。

 まだ、刀に大きな力を乗せられないため、刀身が伸びるのはわずかだったが一つ目には通用するようだ。

 翌朝、出発すると昼前に村に着く。

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