8話 村長と交渉

 俺と清音が村に入ると村の男たちが俺たちを取り囲み

 「忌み人が何の用だ、出ていけ。」

と言う。

 清音は動じず、紙を出し言う

 「依頼を受けて、この村に来た。」

そして、剣士の証の木札を示す。

 俺も清音に習い木札を示す。

 俺の木札を見た男は驚き

 「あんた上級の魔法剣士か、待ってくれ

  村長を呼んでくる。」

と言って走っていく。

 残った男たちは俺の木札を見てささやきあう

 「魔法剣士様だよ。」

 「上級だぞ。」

 「すごいな。」

俺にささやき声が聞こえてくる。

 俺は珍獣のたぐいの様だ。

 村長が走ってくる。

 一生懸命走ってきたのか息をいらしている。

 俺と清音は村長が落ち着くのを待つ。

 村長は俺に向かって言う

 「魔法剣士様に来てもらえるとは光栄

  です、どうぞこちらへ来てください。」

俺と清音は村長についていく。

 村の中でも一段と大きい家に来る。

 村長の家の様だ。

 村長は俺を家の中へ招く。

 清音がついていくと男の1人が

 「お前はこっちだ。」

と連れて行こうとする。

 俺は男に言う

 「どこへ連れていく、清音は連れだ。」

 「忌み人を家に入れるわけには行けない

  ので納屋に連れて行くだけです。」

 「なら、俺も納屋に行く。」

俺は男の方へ歩き出す。

 村長は慌てて

 「困ります、魔法剣士様を納屋に泊める

  わけには行けません。」

 「俺は清音と一緒だどうする。」

 「そこを何とかお願いできませんか。」

 「無理だな、これは決めていることだから

  な。」

村長は黙る。

 俺は村長に提案する

 「清音を俺と同じ扱いにしたら、依頼料は

  なしにする、どうだ。」

 「しかし、世間体がありますし・・・」

 「このことは口外しない。」

 「ですが・・・」

俺はもう一押しだと思う

 「条件を飲んだら、俺の村に対する印象は

  よくなるぞ。」

 「分かりました、特別ですからね。」

 「分かっている。」

俺は清音が人並みの扱いを受ける権利を勝ち取る。

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