6話 魔法剣士になる

 翌朝、宿を出て朝食をとると武具屋へ行く。

 刀には柄と鞘がついている。

 俺は刀を持つが軽い、そういえば牛鬼の角を使っていると言っていた。

 「刀ははがねを使わないのか。」

 「あんた何言っているんだ、鬼の角に

  決まっているだろ、忌み人といて

  おかしくなったか。」

店主は俺をバカにする。

 清音が殺気を放つ

 「つなに謝って。」

 「俺は悪くないぞ。」

清音は刀に手をかけると店主は慌てて

 「悪かった、これでいいだろ。」

清音は刀から手を放し店を出る。

 清音は俺に言う

 「あの人ひどいよね、つなのことバカに

  したわ。」

 「俺の時は怒るんだ。」

 「どういうこと。」

 「清音はひどい扱いを受けているだろ。」

 「そお、みんな普通だわ。」

俺は言葉に詰まる。

 清音はずうっとひどい扱いを受けていて、それを当然と思っているらしい。

 彼女は刀について説明してくれる。

 刀は鬼の角を加工して造られる。

 素材は一つ目、青鬼、赤鬼、牛鬼の順に高価になっていく、これより高い素材もあるが町では扱われない。

 高価なほど丈夫で軽いらしい。

 清音の刀は赤鬼で刀身が赤い。

 俺は清音に言う

 「刀の代金は後で必ず払うよ。」

 「いいのよ、これはつなへの贈り物だから。」

 「どうして。」

 「私がそうしたいからよ。」

今、きっと清音は微笑んでいるだろうが仮面で表情が見えない。

 惜しい、実に惜しい。

 清音は次によろず仕事斡旋所へ行くという。

 俺の登録をするためだという。

 よろず仕事斡旋所に入ると結構人がいる。

 中には清音のように仮面をつけた人もいる。

 みんな壁に貼られた紙を見ている。

 清音は俺を受付に連れていく。

 受付には、妙齢の美女がいる。

 清音は受付嬢に言う

 「この人の魔法剣士の登録をお願いしま

  す。」

よろず仕事斡旋所のなかの視線がすべて俺に集中する。

 俺はびっくりする、なにが起きている。

 俺と清音は事務所の奥に通される。

 受付には人が集まり、俺たちの方を見ている。

 受付嬢は白いソフトボール大の球を持ってきて言う

 「この球に魔力を込めてください。」

俺は戸惑う、魔力と言われても俺が使うのは気である。

 清音が俺に言う

 「一つ目を倒した時のようにすればいい

  のよ。」

 「分かった。」

俺は丹田に力を籠め、球に気を流す。

 球は赤く光り始め、青くなり、さらに白くなり光を増す。

 受付嬢は言う

 「すごい、上級です。」

 「つな、やったね。」

清音が喜ぶ。

 俺の魔力は下級、中級、上級のうちの上級らしい。

 俺は上級魔法剣士として登録され木札をもらう。

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