最強バカ×神ゲー転生

マーラ様

第1話

「んあぁぁーー!疲れたぁー!!」



キツい、きつかった!、、チーター多すぎだろぉぉ!!


心の中で咆哮する、なぜ咆哮していたかというと、プロゲーマーやチーターがわんさかいる大人気FPSゲーム、それで世界ランキング1位を取ったからだ。


プロゲーマーのフルパーティや、チーターもいる中で世界1位を取った俺は、自他共に認める最強だ、いや最強になった、俺は今口角が天井に刺さるほどニヤニヤしてる。


「いてっっ...」


あーーあ、、背中が血だらけだ。なぜ血だらけなのかというと、弾を1発外す度に背中に剣山を刺す、そうすることで、失敗してはいけないプレッシャーをかけて、いつも以上の集中力を得る、そうすることで俺はこのゲームで最強になった。血だらけにならないために服を脱いでゲームをやっていたけど酷いな。まぁ、最強になるためには必要な犠牲だな。


床にビニールを敷いていたので、床は汚れていないが、ゲーミングチェアは血だらけだ。


俺は立ち上がり、ベッドの近くにある、窓を開ける。もう外は、真っ暗だ、梅雨の時期独特の湿った空気が部屋の中に入ってくる。


部屋の中は、俺から流れた血の臭いで鉄臭くなっていた。窓から離れ、部屋から出ようとすると、血を流しすぎたせいか倒れそうになる。


「あー寝るか、さすがにキツい」


血を流しすぎたせいか、焦点が合わない、これはすぐに寝れそうだ。






「...今何時だ?」



いつもとは違い、少しまどろみながら目を覚ます。枕のそばに置いてあるスマホを見てみると、7:10 と表示されている。


「あぁ、少し寝すぎた...」



俺はショートスリーパーになったおかげで、睡眠時間は2時間程度でいいのだが、血を流しすぎたせいか、いつもより多く寝ていた。

ショートスリーパーは、音ゲーのランキングで1位になるために覚えたものだ。


音ゲーマーは、下手するとプロゲーマーよりやばい、なんでアイツら1週間ずっと起きてんだよ... 多分あいつら人間じゃない...




昨日はすぐに寝てしまったから、急いで部屋を片付けないとなぁ、身体が重いしやる気が出ないが、異臭騒ぎで部屋の中に入られたら困る、どう考えてもこの部屋で殺人事件が起こったようにしか見えない。


俺はせっせと部屋の片付けをして、綺麗になった部屋のベッドに寝転ぶ。



綺麗になった部屋で休憩した後、飯を食いに、キッチンに行く、俺が今住んでいところは、LDKのトイレ風呂付きの家賃も普通、建物のデザインも普通、The普通の賃貸マンションである。



朝だから軽いものでいいか、と考え、冷蔵庫から、昨日買っておいたサラダ、鳥のささみを取り出す。ゲームをするためには、体が重要だから、健康を損なわないように、基本は自炊をしている。一応ジムも行っているので、平均より筋肉痛はある方だ。


部屋に戻ると、ほんの少し血の匂いがする、壁に匂いがつくほど匂いがキツかったのか。





「あーーー暇だ、、、暇すぎる」


俺はベッド上に寝転びながらそうつぶやく

マジで何しよ。最強欲満たされたからなぁー



俺が今言った最強欲ってのは、字面通り最強になりたいっての欲だ。これは、対戦ゲームをやってから産まれたものであり、この最強欲を満たすためにゲームをやっていると言っても過言ではない。ゲームは、最強になるのが楽しいんだよ。昨日FPSゲームでありとあらゆるプロゲーマーやチーターをなぎ倒して最強になったから満たされた。


俺の知り合いは勉強や運動で最強になったらいいじゃん、と言うやつが多いが、俺は俺が好きなことで最強になりたいんだよ、俺はゲームなんだ、特に対戦ゲーム、音ゲー、格ゲー、FPS、TPS、アクションRPGなど様々なゲームをやってきた。



けど最近、最強になったゲームが多すぎて、俺が最強じゃない対戦ゲームがないんだよなぁ。


俺はベッドに座りながら目線を部屋の中の棚の方に向ける。


「久々に普通のRPGでもやるかぁ」



対戦ゲーを探す合間にやろうとしていたゲームがたくさん置いてある。俺は棚に近寄り、なにか面白そうなゲームはないか探し始めた。


そのゲームのなかから目に付いたゲームを手に取る。


「最強学園ファズマか...」


最強学園ファズマ、名前はなんかバカゲーやクソゲー臭がするゲームだが、実は世界で超絶流行った大人気ゲームだ、最強と書いてあったら買うしかないだろう。俺はこのゲームが流行っている時、格ゲーの最強を目指していた。格ゲーマーのプロは意味わからんぐらい行動よんでくるから苦労したわ。



このゲームは、12人の主人公の中から1人を操作キャラクターとして選んでそのキャラクター視点でストーリーを進めていくゲームだ。

剣や鎧などの装備品だけでも、1000種類を超え、素材アイテムや、消費アイテムを加えると、20000種類を超える。さらに仲間に加えられるサブキャラクターやメインキャラクターが100人以上も登場する。ストーリーは見ないようにしているが、レビューでは。


「感動した!!」 「セリアちゃん可愛いぃ!!!」「こんな鳥肌が立つゲームをやったことないです」 「すべてのキャラクターが魅力的でした!」


などの好意的な意見が多い。



俺はゲーム機に積もった埃をはらいながらゲーム起動する。


「おぉー、グラフィックめちゃくちゃ綺麗じゃん」




スタート画面だけでも神ゲーの予感がする。

このゲームの主要キャラっぽい人達が、大きな魔物と戦ったり、明るそうなイケメンと暗そうなイケメン同士が握手し合ったり、赤い髪のイケメンと美少女が抱きしめあったりしているシーンが流れていく。



俺はニューゲームを押してゲームを始めようとする。


「うっ... なんだ...?」


ニューゲーム押したとたん、目の焦点が合わない、どんどん目の前が歪んでいく。

血を流しすぎたのか?

そう考えているうちに俺は意識を手放した。





最強学園ファズマとは世界で大流行した大人気ゲームである。数え切れぬほどあるアイテムや装備、魅力的なキャラクター、それらの要素は、最強学園ファズマが人気になった理由の半分にも満たない。


このゲームが人気になった理由は、ストーリーが面白いというのが大半をしめている、ストーリーの重厚さにおいて、このゲームに並び立つものは無い。



しかし、このゲームの数少ない悪評では。



「話が重い」 「ファンタジーの皮を被った鬱ゲー」「やっていて心が辛いです...」

「セリアちゃん幸せになって...」



そう、このゲームは鬱ゲー寄りのゲームなのである。正しいルートを選んでもハッピーエンドになるとは限らない。なまじストーリーが深いせいで、鬱ゲーに拍車をかけていた。



だかこの鬱ルートを補って余りある程の面白さがあるので、世界で大流行するゲームになったのである。


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