Look at me.

@pianono

 ああ、まただ。

 スマホのアラームを止めた私は、おもむろに自分の頬に手を伸ばして一筋の涙の軌跡をなぞった。

 たまに、こんなことがある。朝起きた時に、どうしようもなく悲しくて苦しくて、泣いていることが。

 あまりにも恐ろしい夢を見ていたに違いないのだが、その内容はほとんど覚えていない。それは毎回同じ。そんな中でもひとつ、ぼんやりと私の中に残っているのは、誰かの張り裂けんばかりの泣き声だった。

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