ちょっとしたことで

小説をずっと書いています。

小説を書くのは楽ではないし、「楽しいから書いている」というタイプでもないけれど、ものすごく苦しいか、と聞かれると、そうでもない気がします。苦手か得意かというと、得意なほうに属することです。

一応商業出版していますが、ほとんど趣味みたいなものです。投稿サイトに載せたり、いまだに公募に送ってみたり、Kindleで個人出版したりしています。

書いたものはほとんど公開しているのですが、そうなると、感想をもらうことがあります。「小説家になろう」の感想欄とか、「カクヨム」だと応援コメントやレビュー、Amazonのレビュー、拍手コメント、Twitter、色々ですね。私に直接教えてくれるタイプの感想もあれば、そうじゃないものもあります。私は結構感想をチェックする方で、いい感想があれば嬉しいし、悪い感想があれば「そうか…」と思っています。

昔はお互いに悪いところを指摘しあうタイプの投稿サイトにいたこともあって(昔は結構そういうサイトが多くて、「小説家になろう」の感想欄に「気になる点」があるのもその名残だと思うのですが、廃れましたね。というか今検索したら「気になる点」って前は「悪い点」だったんですね。忘れていました)、私の作品について否定的な感想を書くことが悪いとはまったく思わないしいい面もあると思うので好きに書いてほしいのですが、長いこと「そうか…」と思う癖がつくと、いい感想をもらったときも、嬉しいことは嬉しいけれど、あまり喜びすぎないようにしよう…という癖もついているような気がします。

それでもふと、そういう癖を飛び越えて、いただいた感想に「はっ」となることがあります。自分の書いたもので、誰かが喜んでいる、ということ、誰かの心に自分の書いたものが響いている、ということ、誰かがずっと私の書いたことを心の中に持っていてくれる、ということ。そういうことの素晴らしさが、ぱっと理解できることがあります。

小説を書くのは楽ではないですけど、そんなに苦しいことでもないです。すごく楽しいわけでもないですけど、ものすごく難しいことでもないです。ちょっと思いついて、なんでこんなことしているのかよくわからないなりに文字を書き続けて、ちょっと嫌になったりして、しばらくほったらかしたりして、なんとか完成させる。そういうふうにできることが多いです。

でもそういうことで、喜んでくれる人がいる。

小説を書くことに限らず、そういうことは多いのかもしれません。ちょっと思い付いて、なんとなくやってるようなことが、他の誰かにとって大切なことになったりする。

そう思うと、あんまり気負わずに、ちょっと思いついたようなことも、色々やってみたほうがいいのかもしれません。別に自分にとっては大したことなくてすぐやめてしまいたくなるようなことが、大切なことかもしれない。やってみたのなら、途中でちょっと嫌になっても最後までなんとかやって、誰かに届くようにすると、思いがけない素晴らしいことがあるのかもしれません。自分がやってることの意味は、自分だけではわからないから。


あんまりうまくまとまりませんが、そんなことを考えました。

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