第2回(今作の設定の変遷について)
小説の書き方には色々あると思います。「ひとまず書いてみて、そこから世界観を作り上げていく」という方法もあるでしょうし、「プロットを書き起こして世界観を練り上げ、完成したら本文に取りかかる」という方法もあるでしょう。ちなみに、私は「頭の中で大体のプロットを思い浮かべて、そこから書いていく」という方法をとっています。
今作もそうやって進めていったのですが……実は、最初の構想段階では全く違う話でした。「男女それぞれの視点で、話を進めていく」という構成自体は変わっていないのですが、「男子の方は『分かりやすいまでのハーレム系ラブコメの主人公』、女子の方は『人知れず殺人を犯し続けるサイコパス』で、全く関係無さそうな二人の物語が次第に交わっていく」という設定だったのです。ところが、それを元に頭の中で話を組み立てようとしても上手くいかず、「サイコホラーの要素は捨てて、恋愛要素をより強めた方が良いかな」と思い、現在のものに近い設定に落ち着き、その構想を元に書き進めることになりました。
その段階では、「灯子は事あるごとに血生臭い残酷な想像をする」「灯子の父親はすでに亡くなっていて、生前に不倫していた」「灯子の母親は事あるごとに娘に当たり散らす」「鵜飼の『元彼女』が登場し、灯子に嫌がらせをする」等といった最初の構想を引きずった雰囲気の設定もあったのですが、書いているうちに無駄にエグい感じになってしまい、色々と修正していった結果、現在の形に落ち着きました。執筆を進めていくうちに、良い意味で「丸い」作品になっていったと言えるのかもしれません(灯子の母親・千里に関しては、完全に違うキャラクターになっていますし)。
以上で、第2回の月刊企画は終了です。来月末公開予定の「第3回」でまたお会いしましょう。
DANDAKA
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