第27話 そっか、よかった
夏休みに入った。
ドローン部は、夏休みもクラブ活動をしている。でも、今日は、学校には行っていない。アリアちゃんの家に来ている。(何故、
アリアちゃんの家に来たのは、ドローンレースの大会に応募するプロモーション動画ができたからだ。
動画編集は、アリアちゃんがやりたいって言った。
いつもひかえめなアリアちゃんが珍しいと思ったけど、理由はすぐにわかった。アリアちゃんはゲーム実況の配信動画を何本も作っているからだ。
わたしも配信を見た。見たけどゲームの意味がわかんなかった。なんだか、英語のボードゲーム? だったから。アリアちゃんはなんだかよくわからない用語を連発して、ボードゲームを一人楽しく遊んでいた。
「ふだんはゲーム動画だけど、最低限の編集ソフトは使えるから……」
「すごい! チャンネル登録二〇〇〇人超えてんじゃん! こんなニッチジャンルでも、需要あるんだな。おもしろい。じゃあ、頼むよ。データファイル便で送るかから、メアド教えて?」
「Googleドライブにワークフォルダ作ります……そこに入れちゃってください…………招待したので」
「了解。どれくらいかかりそう?」
「一分くらいの動画ですよね? とりあえず締め切りの一週間前にアップしますね」
そして、動画を担当することになったアリアちゃんに、
アリアちゃんの家は、おっきな一軒家だった。ちょっと古い、でもすっごくおしゃれな洋館。
「ようこそ、蟻戸家へ!」
何故か先についている
「なんで、
「部活は、朝練だけ! この暑さで走り回ったら死んじゃうよ。だからアタシは昼からは、アリアちゃんの動画作成を手伝ったの。原案とナレーションはアタシがやったんだから!」
「じゃまをした。の間違いじゃないの?」
「いやいやいやいや! わたしアリアちゃんにナレーションほめられたんだから!」
「ほんとにぃ?」
わたしは、
「
わたしは、
「ちょ!
カチン! なんなの?
わたしがちょっと本当にイライラしていると、
わたしは、そっと右手をさしだした。すると
わたしは、
「
え、え、ええええ!
なに、なに、なに? いきなりなに?
わたしは、耳にはいったその声がすぐには信じられなかった。聞き違いかと思った。
「
わたしは、首を横にふった。そして言った。
「わたしも好き……」
「そっか、よかった」
「カーーーーーーーーーーーット!」
「いやー! ご両人、迫真の演技でしたよ!」
ってメガホンをバンバン叩いている。
隣では、アリアちゃんがスマホでわたしたちのことを撮影していた。
え、何これ?
驚いたのはわたしだけじゃなかった。
「な、なんだよ、
「ちっちっち、
れた。ねーーーアリアちゃん」
アリアちゃんはコクンとうなずくと、顔を赤らめながら言った。
「……え、映像つなげました。あとで微調整するかもだけど、完成です……」
「これでクランプアップでーす。お疲れ様でした! 早速試写会とまいりましょーーーう」
そんなふたりに、わたしは心の中で「ありがとう」って言った。
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