第27話 新時代(3)
「少子高齢社会の勢いは止まらず、都市部では深刻な労働不足が問題となっています。それに伴う労働環境の悪化が目立つようになってきました。不安定な収入、重い税負担が重なり未来に希望を見いだせなくなった人達の自殺者数が社会問題となっています。特に最近は若者が多いです」
「外国人労働者を受け入れも間に合わず、政府はかねてより計画していた『スーパーアイランド計画』を本格的に
(
真見は一人で納得する。葛西が再び正面の壁に手を触れると画面が切り替わった。近未来都市のイラストと共にスマートシティとスーパーシティ計画の解説が浮かび上がる。
「テクノロジーの力で労働力不足や社会問題の解決を試みたのです。もう思考する時間はなく、
葛西が真見に視線を移す。
「スーパーアイランド計画の注目すべき点は。セル社という企業と政府が連携して行っている計画であること。セル社における日本法人のトップがこの島の出身であるということです」
映像に現れたのは一人の若い男性。真見は息を呑んだ。生真面目そうな風貌とシンプルな服装、賢そうな瞳は成り上がりの若い経営者とは程遠い印象を受けた。
(この人がセル社の?しかも命島の出身者……)
「
(凄い。こんな人、日本にいるんだ……。自分が生まれ育った島を大切に思っているだけじゃない。日本の未来まで
映像の中で田切が
『
強い光を
(私、凄い所にいるんだ)
「この島の子供達は本当にラッキーだと私は思います。一足先の未来を体験することでより良い未来を創り上げることができる……。私は敢えて今の時代を『
(新時代……)
真見の瞳に光が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます