歩いて吸った いつもの刻
水縹❀理緒
あなたはある?
終わりの色が近づいた。
私の大好きな空色に、ポトリシャカシャカと
まるで絵の具の筆を洗った水入れの容器の中
じわりじわり、広がる嫌悪感
私は飲み込めずポタリと零す
ねぇ、優雅に泳ぐ君よ
そのまま私を連れて行ってくれないか
ねぇ、引っかかっている木の葉よ
私と同じ、煮ても焼いても食われぬ存在だ
ねぇ、共に連れ添った私よ
こんな私と有るだなんて、誰にも自慢できないでしょうに
何も無い
特に何かあったわけじゃない
しいていうなら
誰かわからぬその刻限を
吸いながら歩いた
ソレが私の腹で暴れるのだ
誰も分からないだろう
この、もう1人の私が私の背をこえる時
私の隠し続けたものが
大きくなっていくような
その恐怖を
何も無くても雨は降るのだ
そして咲く花もあれば
枯れる花もあるのだ
誰ともわからぬそこの人
君の頬は晴れ晴れとしているのだろうか
ー終ー
歩いて吸った いつもの刻 水縹❀理緒 @riorayuuuuuru071
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