第22話 魔王城?まだ行かないよ?
『おはようございます主よ』
「へ?」
『どうかなさいましたか?』
「お前……いつの間に起きてたの?」
『5時間ほど前でございます。』
クロガネが目を覚ました!!
「そうか……元気そうだな。」
『はい。酷い目にあいましたが悪いことでもありませんでした』
「いい事でもあったのか?」
『〈斬撃耐性〉と〈苦痛耐性〉を獲得しました』
「へぇーそりゃよかったな。」
『ですが……1つ気になることがあるのです』
「気になること?」
『私を斬った犯人のことです。あやつは―――』
「あぁ……魔王のことか」
『……はい?』
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で固まるクロガネ。何か驚くようなことを言っただろうか?
「どした?」
『いえ……犯人が分かったのですか!!??』
「うん。そうだけど……それで?気になることって何だよ」
『そうでした……あやつは私を殺そうとすれば簡単に出来たはずです。しかし、私は生きている。それも耐性スキルまで手に入りました。主の回復薬のおかげでこれ程早く回復できましたが、恐らく私本来の回復力でも、多少時間はかかるでしょうが生き延びることが出来たはずです』
「つまり、犯人は意図的にお前を耐性スキルが発現するギリギリまで痛めつけたと?」
『その可能性もあるかと思います。』
「何でそんなことをする必要があるんだ?」
『私が名持ちの
「なるほどね……まぁ細かいことは本人に直接聞くとしようか。」
『会いに行くのですか?』
「あぁ……なにか問題あるか?」
『いいえ、何もございません。私は主に着いていきます故』
「うん。よろしく頼むよ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
クロガネが起きて心配することはひとまず無くなったし、いつも通り小遣い稼ぎでもしますかね。
「今日も森へ行かれるのですか?」
「いや、今日はもうちょっと報酬額の高いやつ狙いたいかな・・・装備とか強化したいから」
毎日ギルドに通い、クエストを受注→森に行く→クエスト完了→報告、のローテーションを繰り返していた僕は受付のお姉さんとも結構仲良くなった。
このローテーションをした事で得たものはそれだけではない。
それは冒険者ランクだ。
冒険者には、FからAまでの6段階ある。今の僕はDランク、ランクが上がったことで多少危ないクエストも受けられるようになったのだ。
「そうですね……装備を整えたいのであれば鍛冶師から発注されているクエストはどうでしょう。そうすれば腕のいい鍛冶師との面識も出来ますし一石二鳥だと思いますよ」
「じゃあそうしようかな」
「では鍛冶師メビウスからの依頼、〔魔鉱石の採掘〕を受注しますか?」
「はい!!」
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