(一)-2

 しかしあるとき、中山道を通る旅人が襲われたことがあった。随行していた用心棒の侍は一刀の下に斬り伏せられていた。かなり腕の立つ者の仕業であった。

 当初盗みだけだった野盗の行動は、その後徐々に遠慮も消え失せ増長してゆき、ついに刀を突きつけて無理矢理に物を奪っていくことが増えた。

 そのため村人たちは小田井城まで来て直訴したのであった。

 そこで藩では討伐隊を組み、野盗が現れる周辺の村へと向かった。

 その日のうちに討伐隊は野盗と遭遇した。しかし、返り討ちにあい、城に戻ってきた。

 その報告を受けた筆頭家老の竹田丹波介は再度討伐隊を派遣することを決めた。


(続く)

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