世界の十字路10~不浄の地から伸びる手~

時雨青葉

プロローグ

それを手にした時

 それを初めて手にした時のことは、今でもよく覚えている。



 なんとなく、呼ばれたような気がしたのだ。



 吸い寄せられるようにそれを掴んだ時、それの力があっという間に自分の奥に根付いて、全身に馴染んでいくような感覚がした。



 ああ。

 きっとこれは、自分の相棒として一生使っていくことになるだろう。



 幼いながらにも、それだけははっきりと認識できた。



 そして、それを創った彼は飄々ひょうひょうと告げた。





「君の魂が根底に持つ運命は守り。それが君をあるじと選んだように、君もいずれ、主と認められる存在に出会うよ。」




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