第3話嫁さん

嫁さんには迷惑かけた。

だって、結婚直後に統合失調症を発症させて、それからろくな仕事をしていないからだ。だが、銀行の通帳を渡し、障害年金も全額渡している。

そうこうしているうちに、お義母さんがガンになり、在宅介護すると言って引っ越ししたが、病院で退院することなく、亡くなった。

実家には義弟がいた。

コイツは当時無職でありながら、僕に「タバコか酒のどちらかやめられないんスカっ!」

、「腰が痛いって言ってますが寝るのは腰に悪いんじゃないんスカ!」

等々、散々いちゃもん付けてきた。

コイツには6万円貸して返ってこないし、障害年金を受給している事を知らない。

クソガキが!

お前は、一体おれの何を知っているのか?

コイツのお陰で、僕は独り暮らしを送る羽目になる。

その後、腰は手術して大分歩けるようになったが、後遺症が残った。

嫁さんは僕には厳しいが、義弟は甘やかす。

姉弟の繋がりは強い。

だが、結婚したんだからもう少し家族らしい事をしたかった。今は、変則の焼き肉屋さんに家族で行く事しかない。

子供が旅立てば、夫婦の形は崩れるかもしれない。

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