君は僕に何を求めているのか?

羽弦トリス

第1話見えない献身

会社は朝8時半からスタートするが、その時間には現場に出ないといけないので、僕は6時半に出勤して、段取りをする。

書類をまとめ、人数分会社弁当を車に運んだ。

5年間続けたが、いつも僕が1人で作業していた。

しかし、誰も見ていない。

要領のいいヤツは、上司が出勤してから仕事のふりをする。

朝の仕事開始時間は、時間外出勤として加算されない。

会社の為に努力し、突然の徹夜仕事のも引き受けた。引き受けたのではなく、上司は恫喝したのだ。

同僚は、「お前は楽してんな」と、ほざく。

査定が付いたのは1度もない。

挙げ句、上司が僕に、「お前、最近動きがわりぃぞ!」

と、言う。

僕がバカだった。

こんな会社は早く辞めるべきであった。

朝早くから働き、徹夜をさせて、動きが悪いとは何事だ!

おれに、何を求めているんだ?

これは、序章に過ぎない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る