【切り抜き3】楽しいお茶会を修羅場に変える極道の女、極姫シルビア
~
「ごきげんよっす~! 四期のシルビアですわ。では挨拶はこの辺に致しまして……」
プシュッ!
「ングング…………ぷはぁ! 暑くなってくるとビールがクッソ美味いですわ~」
コメント
:お嬢へ。本日のお茶代です ¥600
「まあっ、お茶代ありがとうございますわ! 舎弟の皆さんも、どうぞ今日のお茶会を楽しんでくださいな。乾杯~!」
:乾杯! ¥1,000
:ビール満タン現金で! ¥3,500
「アーハッハッハ! これだから
「……シルビアちゃんったら、開幕から清楚なお嬢様のメッキがボロボロだよぉ……」
「ふふ。マリアお姉さま、これくらいは清楚ですわよ。いずれオフでも酒を酌み交わしたいですわね」
「ね~。お泊りとかもやってみたいね」
:お嬢とマリアママのお泊り配信見たい!
〈黒曜ダーク〉:余は既にお泊りしたのじゃが、おぬしはまだ?wwwww
:ダックちゃんの煽り方よww
「ん? コメントに黒曜ダークとかいうクソガキがいますわね。煽られっぱなしでは組のメンツに傷がつくというもの。ここは電話凸あるのみ」
「え、配信中にかけるの……?」プルルル。「もうかけてる⁉」
「出やがりませんわねェ、あのクソガキ……。でしたらチャットで」カタカタッ。「『おもて出ろ』と」
「怖い怖いっ!」
:お嬢が怖すぎて草
:さすがは極道の女、圧が違う
「あっ、やっと出ましたわ! ……『なんだ』じゃねェですわ。貴女ね、ひとの配信で煽りたおして逃げられるとお思い? ……はいはい。そんな屁理屈は結構でしてよ」
「あの、シルビアちゃん? ダックちゃんの声が配信にのってないかも……」
「わたくしとしたことが! ダークの声だけミュートにしてましたわ」てへっ。
「――おいコラ~~ッ! おぬし絶対わざとじゃろ! 余は配信だと思ってずっとこの口調にしてたのじゃぞ!」
「へぇ、配信だと思ってですか。へぇ~~?」
「あ、いや……違うぞ皆の衆! 余は常日頃からこの口調なのじゃ!」
:えぇ……
:常日頃から「のじゃ」とか言ってるのか……(困惑)
:魔界の民だけど、ダックちゃんに友達いるのか心配で眠れない
「なぁんでじゃ⁉ おぬしらはキャッキャ喜ばんといかんじゃろ! 友達は……おぬしらに迷惑かけておらんのじゃから少なくても良かろう⁉」
「そんなことより……貴女、わたくしに物申したいことがあるのでしょう?」
「左様。余は先日、遂にマリア先輩の家でお泊りをしたのじゃ! ふははっ! 互いにマリア先輩に憧れメタに入った者同士、さぞ羨ましかろう。んん?」
「ぜんぜんっ、ですわ」
「……うにゅ?」
「なぜならわたくしも、マリアお姉さまの家でお泊りする約束をこぎ着けましたので!」
「「はあぁ⁉」」
「どうしてお姉さままで驚かれるの?」
「だ、だって、お泊りしたいね~、くらいのノリだったし……ていうか、またマリアの神殿でやるの⁉」
「ええ。お茶会が終わったら裏でスケジュールを話し合いましょうね」
「おいおぬしィ! 悔しいからって強引がすぎるぞ! 先輩に迷惑じゃろ!」
「はいはい悔しくありません。アヤつけないでくださる? みっともねェですわよ」
:あーあ
:また始まった
:お嬢とダックちゃんはメタライブでも屈指の不仲だからなぁ
:だからこの二人はコラボ厳禁だといつも……
「二人とも、ストーーーーっプ‼」
「「…………」」
「極姫組の舎弟さん、聞いて。シルビアちゃんとダックちゃんはよく喧嘩してるけど、本当はすごく仲良しさんなの」
「お姉さま、印象操作はやめてくださいまし」
「そうじゃそうじゃ。余とこやつは同期なだけなのじゃ……不幸なことに」
「はあァ⁉ こちらこそてめぇと同期で絶賛不幸中ですが⁉」
「ストップストップ! いいから聞いて。これは先月の話なんだけど……メタライブの事務所って一階がカフェになってるのよ。でね、その日、シルビアちゃんとダックちゃんが二人だけでカフェの一番奥に座ってたの」
「なぜお姉さまがそのことを……!」
「マリアね、二人がまた喧嘩しないか心配で近くの席に座ったの。そしたらね、何やってたと思う? ……二人が配信の反省会をしててアドバイスし合ってたのよ」
「こ、これ以上はマズいのじゃ……」
「でもそれだけじゃなくて、シルビアちゃんがダックちゃんのパフェを一口食べちゃったの。ダックちゃんは席でもじもじするんだけど、見かねたシルビアちゃんが自分のパフェをスプーンですくって『はい』ってするの。そうしたらダックちゃんが恥ずかしそうにしながらも食いついて、もうそれが可愛くて私一人でキャ~って――」
「ぎゃああっ⁉ 営業妨害! 営業妨害ですわ!」
「あれっ? ダックちゃんがいつの間にかいなくなってる」
「くぅぅ……! あのクソガキ、わたくしを見捨てて逃げやがりましたわ……」
:てぇてぇ
:百合暴露たすかる
:すごいぞ! ダー×シルは本当にあったんだ!
「あるわけねェでしょうがッ!」
「ごめんね、シルビアちゃん。二人の不仲説を見て我慢できなくて」
「……もういいですわ。その代わり、メンツをズタボロにされた落とし前はつけさせてもらいますわよ」
「ひっ⁉ …………指、斬るの?」
「エンコ詰めのことですか? そうではなく……お泊り、させてくださるのでしょう?」
「あ、なんだ……う~ん、じゃあ、スケジュールが空いたら連絡するね」
「くふふっ、やりましたわ。憧れのお姉さまの家でお泊り会、けって~い♪」
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