第7話 壁をたたく音
『彩花ちゃん、今日、少し残業頼めるかな?』
『無理です! 用事がありますので!!』
店長の頼みに間髪入れず断ると自転車をすっ飛ばして部屋に帰る。
・・
・・・・・・
『私特製ステーキ&焼肉弁当サラダ付きとプリン&杏仁豆腐』
約束以上の報酬に上機嫌で家に帰る姉。
『ヒナ、来てごらん』
様子を見ようとヒナに手を伸ばしてみる。
『嫌っ』とペーパーの奥にゴソゴソ逃げるヒナ。
『 ....』
私はイラストの仕事にとりかかる。
コツコツ コツコツ コツコツ
時々、ハウスの壁をたたくヒナ。
『ヒナ、何やってるの?』
観察すると、ヒナはくちばしをハウスの壁にこすりつけていた。
どうやらくちばしについたエサの汚れが気になるようだった。
なるほど.. 人間の歯磨きみたいなものだね。
『おいで.. 』
乾いた練り餌は爪先でもとれない。
磨いてあげようと濡れた綿棒をくちばしに近づける.... バクッ!
『こらこら、餌じゃないよ!』
「ピピッ」
そのままヒナのお食事タイムに突入。
食事が終わると再びペーパーや壁でくちばし磨きを始めるヒナ。
『ふふ.. ヒナは女の子かな? 綺麗好きだねぇ 』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます