第4話 ヒナ釣り
「ピッ ピッ ピッ」
ペーパーの向こうから聞こえてくる声
前の食事から90分くらい。
指でペーパーをどけるとヒナは殊更声を大きく「ピッ」と鳴いた後、口を大きく開けている。
食事のおねだりだ。
『おお~っ』
まだ2時間経っていないのに。
たぶん、水分量が多かったから消化が早いのだ。
『そうだ! へへへ、購入したミルワームをあげてみよう!』
初ミルワーム開封
モササ モササ と小麦粉ふすまの上を這いまわるミルワーム。
『キ.. キモ!』
ピンセットで摘まもうとしてもカサカサな固い表皮がピンセットをはじく。
『指で? ....いやいや! ないない! 指で摘まむなんて!』
何とかピンセットでヒナの前にさしだすが スン としている。
『あっ!』
ピンセットからミルワームが落ちる。
瞬く間にペーパーの陰に逃げていくミルワーム。
『げっ! マジか.. んっ、もう!』
逃げたミルワームをピンセットで.. ピンセットで.. つ.. 摘まめない。
指で摘まんでケースにしまう。
そして厳重に紙袋に包んで、冷蔵庫の中へしまう。
『無かったことにしよう.. 今の出来事は.... 』
今度はねり餌の水分少な目ハチミツ和えを作ってみた。
栄養満点特製ねり餌を綿棒に絡ませクチバシに近づけると....
ヒナが勢いよく飲み込んだ。
綿棒ごとグイグイと呑み込む。
『こら、こら!』
喉の奥まで呑み込んだ綿棒を上に引っ張った。
するとヒナも一緒に持ち上がる。
『め、綿棒で雀のヒナが釣れた!』
勢いよくモリモリ餌を食べるヒナ。
『ヒナ、いっぱい食べて元気になるんだよ』
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