パーフェクトパラドックス

√x

第一話(最終話)⇦僕が書いた

僕は死んでいない。何故なら、そもそも僕はいなかったんだから死にようがない。それに、この文章を通して気づいてくれると嬉しい。⇦これも僕が書いた


『3』七月九日。僕はいつだって孤独だ。それも全部環境のせいだ。親が…いや国がもっとマシだったらよかったんだ。だから僕は総理を殺した。ああ、そうだ。もちろん僕に喋り相手なんかいない。他に、僕が孤独だって示唆することがある。例えば…ほら!今見た?僕は昼に帰り道の商店街を歩いているんだけど、ティッシュ渡さなかったよねあの人。他に商店街を過ぎる人たちにはあの人、ティッシュ渡すのになぁ。

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家にもうすぐで着くんだけど、おかしいな。ここから僕の家が見えるんだけどさぁ、家、浮いてるんだよね。うん、意味わかんねぇ。僕は少し早歩きになって

帰路を急いだ。そして着いた。『1』あれ?普通だ。家が普通に建ってる。さっきのなんだったんだろう。蜃気楼かな。とにかくかーえろ。

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僕の部屋に着いた。本当に毎日つまらない。その上苦しい。そう、これは僕だけなんだ。何故、僕だけ苦しむ?それは…環境のせいだ。あれ、これ前にも考えたっけ。ま、いいか。具体的に環境というと、国?だとすると総理?じゃ、総理を殺せばいいのか。方法は全然具体的じゃないけど。『2』あーとにかく総理を殺したい。殺したい。殺したい。殺したい。あれ、なんか右手に持ってる。なんだろ。

筒状で色付きの銅線が出てて、時計っぽいものがついている…パイプ爆弾だなこれ。よしこれで殺そう。今日は街頭演説やってるよな?七月八日だし。

レッツゴー。

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よーし投げつけるぞー。


「それは、やめておいた方がいい」

「え」

「君が苦しむだけだからな」


僕のしようとしていることがバレてる?それと


「だれ?」

「神(じん)だ。よろしく」


神の見た目は、僕の目ではなぜか捉えきれない。


「気づけよ。君は存在しないんだ」

「は?」

「時系列がおかしいだろ。日が変わったり、君の心情が変わったり、あり得ないことが起きたり」


だとしても存在しないってなんだよ。


「時間が混同してるんだ。最初は未来、君が死んでる状態だ。総理ごと爆弾で死んだんだな。次は過去。その次が現在」


…だから、同じことを考えたり、すでに死んでる時はティッシュを配られなかったのか。死んでる時はあり得ないことが起きて、現在に近づくと総理殺害に近づくから、憎しみも増えたのか。


「そして存在しないっていうのは、俺含め小説の中だからだ」

「意味がわからない…」

「きっと自分で小説をいじってみれば、意味がわかるよ」


僕はもう人生に飽きたから、これで最終話にすることにした。

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